動物愛護週間とは?先進国での取り組みと私たちができること

動物愛護週間とは?私たちが今すぐできること

「動物実験ってなぜ必要なの?」など、動物に関する疑問をもたれた方はいませんか?一方で、動物虐待のニュースを見て、心が痛む方も多いはずです。動物愛護月間は、このようなニュースの裏側にある問題や、今私たちにできることを知る機会になります。今回は、動物愛護週間の詳細や先進国での取り組み、今すぐ実践できることについて解説します。

動物愛護週間とは

毎年9月20日~26日に実施される動物愛護週間とは、動物に関心をもち人間との絆を深めることを目的として定められた1週間のことです。つまり、これらの活動に注目し、動物愛護につながる行動をする期間ともいえます。

動物愛護週間はペットを飼っている方だけでなく、動物に関心のあるすべての方が、動物の気持ちや適切な飼い方について学ぶ機会となります。また、人間と同じように動物にも命があることから、共存していくことの大切さを社会全体に啓発するのもポイントです。

動物愛護の期間中は、国や地方自治体、動物保護団体などが協力して、動物愛護に関するさまざまなイベントやキャンペーンを実施するのも特徴です。例えば、動物愛護に関する講演会やセミナー、動物とのふれあいイベント、動物保護施設の見学、動物愛護に関するポスターの配布など、活動は多岐にわたります。


先進国での動物愛護の取り組み

日本における動物愛護週間では、普段よりも動物に関心をもち、行動していく1週間としています。海外でも同様に、動物愛護についてさまざまな取り組みがあるのをご存じですか?ここでは、動物愛護に関する先進国の取り組みについて解説します。

動物愛護:イギリスの取り組み

イギリスは、動物愛護の先進国として知られています。2006年にアニマルウェルフェア法が制定され、すべての脊椎動物を対象として動物虐待に対する罰則を強化しました。また、食肉処理場への監視カメラの設置を義務化したり、捨てられた犬や猫を保護したりする仕組みがあります。その他、動物愛護団体による啓発活動なども活発に行われています。

動物愛護:スイスの取り組み

スイスは動物保護において、世界トップレベルの取り組みを行っています。動物の尊厳を憲法で保障し、動物虐待などを厳しく禁止しました。家畜の種類ごとに飼育スペースや数の上限を決め、動物福祉にも配慮しています。動物実験の規制も強化されており、代替手段がない場合に限り動物を扱うことが許可されているのも特徴です。

動物愛護:ドイツの取り組み

ドイツでは動物の権利を重視し、具体的な規制を設けることで、高い水準の動物保護を実現しています。1933年に動物保護規定が制定されるとともに、ドイツのティアハイムと呼ばれる動物保護施設では、殺処分ゼロを実現する取り組みが行われています。また、保護された動物の飼い主を積極的に探すなど、動物愛護に向けた活動が活発です。

動物保護:オランダの取り組み

オランダは、2025年までに安全性試験における動物実験を段階的に廃止し、動物実験に頼らない方法へと移行することを目指しています。背景には、年間約60万匹の動物が実験のために使用されていることから、動物福祉に対する関心が高まったことがあげられます。そのため、オランダでの動物実験は厳しい規制対象となっているのです。代替、削減、改良に基づき、動物実験を最小限に抑えるよう努力しています。


実践しよう!動物愛護につながる行動

動物愛護週間にできることは、動物とふれあったり、講演会に参加して知識を深めたりするなど、できることはたくさんあります。ここでは、今すぐ実践できる動物愛護につながる行動を紹介します。

クルエルティフリーの製品を使ってみる

クルエルティフリー(残虐性がない)認証のある化粧品を選ぶことで、結果的に動物愛護につながります。実は、化粧品を作る過程で動物実験が行われていることがあります。

その理由は、動物実験によって化粧品が人に与える影響について確認するためです。シャンプーが目に入ったり、クリームが肌から染み込んだりしたときにどのような弊害があるのかを、動物実験でチェックします。

実験台には人間ではなくウサギやモルモットなどの動物たちで化学物質の毒性試験が行われているのです。動物実験中は、動物が痛みなどの苦痛を感じても、その場から離れることはできません。実験終了後も健康な体に戻ることは難しく、廃棄処分にされる経緯があります。

動物愛護週間に一連の流れを知ることで、私たちにできることを考えるきっかけになるのではないでしょうか?

動物愛護につながる食生活を目指す

普段は肉や乳製品を食べる方でも、動物愛護期間中は植物性食品中心の食生活に変えてみるのもおすすめです。

具体的には、畜産物や水産物の風味や食感に似せて作るプラントベースフードがあります。大豆ミートや代替肉、代替ミルクなどの加工食品が製造・販売されているため、試してみると新しい発見があるかもしれません。動物愛護につながる商品を購入することで、動物福祉に配慮した企業を応援することができます。

また、動物性食品を控えることは、動物愛護以外にもメリットがあるのをご存知ですか?例えば、家畜から排出されるメタンガスには、温室効果ガスが含まれており、地球温暖化に影響をおよぼすおそれがあります。

家畜を育てるためには、大量の飼料や水が欠かせません。飼育するために、森林伐採をして土地を確保する場合もあります。そのため、動物性食品をなるべく減らすように心がけると、動物愛護と同時に環境保護にも貢献できます。

動物愛護についての情報発信をする

動物愛護週間に、今取り組んでいることをSNSなどで発信してみるのもひとつの方法です。植物由来の大豆ミートを使ったレシピに挑戦しSNSでシェアしたり、友達や家族に紹介したりすることで、まわりの人にもプラントベースの食生活に興味をもってもらいやすくなります。

また、動物愛護の講演会やセミナーに参加した感想をSNSに掲載すれば、幅広い方々に届きやすくなります。ほかにも、植物性食品を主に取り扱っている飲食店での食事や、ヴィーガン料理教室に参加することで楽しみながら動物愛護の活動ができるでしょう。

大豆ミートを使ったおすすめレシピが知りたい方はこちらの記事をご覧ください。https://ethical-food.co.jp/recipe/mart%e6%a7%98%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%9c%e3%83%ac%e3%82%b7%e3%83%94%ef%bc%81%e3%82%a8%e3%82%b7%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%83%81%e3%81%ae%e3%82%ac%e3%83%91%e3%82%aa/


まとめ

動物愛護につながる3つの方法を紹介しましたが、いきなりヴィーガンになるには、生活習慣の大きな変化をともなうことがあります。まずは無理のない範囲で、自分にできることから始めることが大切です。

動物愛護週間をきっかけとして、プラントベースフードを試してみたり、イベントへ参加してみたりするなど、楽しみながら動物愛護活動に取り組みましょう。動物愛護がきっかけとなり、食生活の意識が変わる方もいます。食生活が変わると動物だけでなく、環境やご自身の健康にも良い影響をもたらすでしょう。