忙しいのに痩せないのはなぜ?プラントベースの食生活でボディメイクを継続するコツ
「植物性食品を中心としたプラントベースの食生活を送っているのに、なぜか痩せない」「朝早くから夜遅くまで働いているのに、痩せる気がしない」このような悩みをもつ方は少なくありません。忙しくしていれば自然と痩せていくはずと思いがちですが、忙しいときほど見落とされがちなポイントがあります。そこで今回は、プラントベースの食生活でボディメイクを継続するコツを紹介します。
忙しいのに痩せないのはなぜ?
立ち仕事や歩き回る仕事などは、事務仕事をするよりもエネルギー消費量が多くなります。こんなに忙しくしているのだから、痩せやすくなると思われる方もいますが、普段の習慣によっては太りやすくなることがあるため注意が必要です。まずは、忙しいのに痩せない理由について解説します。
無意識に早食いになっている
限られた時間で食事を済ませようとすると、つい早食いになってしまうことがあります。次の予定が入っていたり、資料作りが残っていたりすると、少しでも早く食べて仕事に取りかかりたいと思う方もいるでしょう。しかし、早食いは食べ過ぎの原因になりやすく、食事誘発性体熱産生量を減らしかねません。
食事誘発性体熱産生(DIT)とは、食べた物を消化吸収するときに誘発されるエネルギー消費量のことです。また、早食いにより噛む回数が減ると食事時間が短くなりやすくなり、満腹中枢が刺激される前に食事を終えてしまうこともあるでしょう。満腹中枢が食欲にブレーキをかけるまでには、食事をしてから15~20分ほどかかるといわれているため、早食いは満腹感を得にくくなり、食べ過ぎにつながりやすくなるのです。
朝ご飯を食べない日が多い
朝食には体内時計をリセットする役割があります。体内時計は睡眠や体温、血圧、ホルモン分泌などの変化をつかさどる役割があり、健康的に過ごすためには欠かせない機能です。
しかし、朝食を抜くと体内時計のリズムが狂い、体温が上がらず代謝が悪くなるため、脂肪がつきやすくなります。また、次の食事までの間隔が空きすぎてしまうため、食べた後に血糖値が上がってしまい太りやすくなることがあります。
寝る前に食べてしまう
夜遅くまで仕事をしていると、夕食の時間が遅くなってしまうこともあるでしょう。しかし、就寝前の食事は脂肪を溜め込みやすくなり、太りやすくなるため注意が必要です。就寝中は体内時計を調節する時間遺伝子であるBMAL1遺伝子とたんぱく質が活性化します。
このたんぱく質の影響により、脂肪が体内に蓄積しやすくなるため、夜遅くに食べると太りやすくなるといわれているのです。痩せやすい体質を目指すために、就寝3時間前までに食事を済ませておきましょう。
睡眠不足が続いている
米国立保健統計センターの報告によると、睡眠時間が短いと1.55倍肥満のリスクが高まると示されています。なかでも睡眠時間が5時間以下の方は、肥満になりやすい傾向があるといわれています。
また、睡眠不足の状態が続くと、食欲を抑えるホルモンの「レプチン」が減少し、食欲を増進させるホルモンの「グレリン」の分泌が促進されるため太りやすくなるのです。4時間睡眠を2日間続けただけで、このようなホルモンバランスの乱れにつながるため注意しましょう。
ストレスが溜まっている
ストレスが溜まると、つい甘い物に手を伸ばしたくなってしまうことはありませんか?ストレスにより脳が誤作動を起こすと、脳のエネルギー源のひとつであるブドウ糖を効率良く吸収しようとして、甘い物を欲するようになります。
甘い物を食べ過ぎる原因になりやすく、さらにブドウ糖はすぐに吸収されてしまいます。血中のブドウ糖が減り血糖値が下がることで、お腹が空くといった負のループに陥りやすくなるため注意が必要です。
忙しくてもボディメイクを継続するコツ
痩せたいのに痩せられないときは、普段の生活習慣を見直すことから始めましょう。ここでは、忙しくてもボディメイクを継続するコツを紹介します。
忙しい朝は栄養を補うプラントベースの食材を加える
時間がないから食事は食べないという方は、朝ご飯を食べるよう心がけましょう。とはいえ、忙しい方にとって食事の準備をするのは面倒なこともあるかもしれません。おにぎりやパンなど、炭水化物だけしか摂らない方は、たんぱく質やビタミン・ミネラルも補うよう意識することが大切です。
簡単に準備できるものとして、たんぱく質源の納豆や豆腐、ビタミン・ミネラルを補うためにスティック野菜や果物などを追加すると良いでしょう。包丁を使わないバナナやいちごなどを活用するのもおすすめです。また、レトルトの大豆ミート製品もあるので、上手に取り入れると食事のレパートリーが広がり、朝食を準備時間も短縮できるでしょう。
食事時間が遅くなってしまう場合は食材の選び方を考える
仕事の都合上どうしても食事時間が遅くなってしまうこともあるでしょう。しかし、夜遅くに食事をとると、余分なエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。翌朝に食欲がわかず朝食が食べられなくなる可能性もあるでしょう。夜遅くに食事をせざるを得ない状況のときは、なるべくヘルシーな食事を心がけることが大切です。
例えば、大豆製品を中心とした具だくさんスープやおでんなどがおすすめです。毎晩夕食が遅くなるようであれば、17時頃に軽食を摂ってみるのもひとつの方法です。帰宅後の食べ過ぎを予防する効果もあるため、おにぎりやサンドイッチなど手軽に食べられるものを摂取すると良いでしょう。糖質や脂質が少なく、ビタミン・ミネラルが豊富な野菜を中心に選んでみてくださいね。
ゆっくり良く噛んで食べる
食事を始めてから15~20分で満腹中枢が刺激されるといわれているため、ゆっくり良く噛んで食べるよう心がけましょう。ひと口量が多いと良く噛まずに飲み込んでしまいがちなので、ひと口量を減らして噛む回数を増やすのがポイントです。
また、歯ごたえのある食材を選ぶのもおすすめです。食物繊維が豊富なごぼうやれんこんなどの根菜類や、噛みごたえのあるアーモンドやピーナッツなどのナッツ類などを選ぶと噛む回数が増えやすくなります。自炊する方は食材を大きめに切ったり、硬めに茹でたりするなど工夫すると良いでしょう。1口30回噛むのが理想ですが、難しい場合は今よりも10回多く噛むように意識するだけでも効果はあるので、ぜひ試してみてください。
ストレス解消方法を探す
ストレス解消方法は食以外にもたくさんあります。例えば、ウォーキングやジョギングなどの運動をしたり、好きな音楽を聴いたり、読書やアロマを活用するのもおすすめです。
運動をすると気分転換になり、ストレスを解消しやすくなるとともに、睡眠リズムを整える働きもあります。質の良い睡眠につながり、痩せやすい体質が目指せるでしょう。とはいえ、運動を頑張り過ぎると疲れが溜まりやすく、かえってストレスの原因になりかねません。少し汗ばむ程度の運動を目安に取り組むと、無理なく続けられるでしょう。
プラントベースの食生活を続けると環境保護につながる
プラントベースの食生活を続けていると、痩せやすい体質に近づくだけでなく、環境保護や動物愛護にもつながります。植物性食品を中心とした食生活にすることで、肉の消費が減るため畜産を育てるために必要な資源の節約になります。例えば、家畜を育てるためには広大な土地や飼料を運ぶための燃料などが必要です。これらの資源が守られるため、地球に優しい生活ができるでしょう。
まとめ
忙しいとつい食事が疎かになりがちですが、そんなときほど食生活を整えることが大切です。忙しいと早食いになったり、朝食を欠食したり、就寝前に食べてしまうこともあるかもしれません。睡眠不足やストレスも太る原因につながるため、注意が必要です。忙しい方は必要な栄養素を補う工夫や、食事の質を考えるとともに、ゆっくりと良く噛んで食べるよう心がけましょう。また、自分に合ったストレス解消法を見つけておくことも大切です。