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2024.09.01

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アトピー体質と生活習慣の関係|食事のポイントも管理栄養士が徹底解説します

「ムズムズが気になり、夜中にぐっすり眠ることが難しい」とお悩みの方はいませんか?
皮膚が乾燥してカサカサになり、白く粉をふいたようになると、その部分を隠すような服装にしたり、外出を避けたりする方もいるでしょう。

これらの悩みは、アトピー対質の方に見られやすい傾向があります。
そこで今回は、管理栄養士の下田さんにアトピー体質と食事の関係について徹底解説していただきます。
管理栄養士の下田さんについては下記のプロフィールをご覧ください。

アトピー体質とはどんな体質なのか

アトピー体質の方は肌に赤いブツブツができやすく、ジュクジュクとした液が出て、かきむしるとかさぶたになってしまうこともあります。

そもそもアトピー体質とは、生まれつきアレルゲンに敏感に反応してしまい、アレルギーを起こしやすい体質のことです。
皮膚が乾燥しやすく、肌のバリア機能が低下している場合も同様です。

また、アトピー体質の方は下記のような特徴があります。
・過去にアトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎などになったことがある
・喘息やアレルギー性鼻炎など、アトピー性皮膚炎以外のアレルギーがある
・家族にアトピー性皮膚炎の方がいる

また、外的刺激やストレスなどの環境因子による影響も考えられます。

アトピー体質の方のなかには皮膚がムズムズしたり、ジクジクしたりするなどにより、集中力が低下したり、睡眠が浅くなってしまったりするケースがあり、生活の質に影響をおよぼすおそれがあるのです。

とはいえ、一般的には乳幼児期に多いため、成長とともに気にならなくなる傾向があります。

出典:「アトピー性皮膚炎」(厚生労働省)

生活習慣によってムズムズが起きることも【主な原因3つ】

ハンバーガー

眠れなくなるほどムズムズするなど、アトピー体質にお悩みの方は生活習慣に問題があるケースが少なくありません。
身近な生活のなかに要因がある場合も考えられるため、確認していきましょう。

原因①ダニやハウスダストなど

部屋の空気や湿気がこもりやすい住宅の場合、ダニやハウスダストの影響を受けやすくなります。
ジメジメとした梅雨の時期から夏にかけてダニが急激に発生しやすくなるのは、増殖しやすい条件が整っているからです。

ダニにとって気温20~30℃かつ湿度60~80%は一番心地良く過ごせる環境です。
風通しを良くして除湿を行い、掃除をこまめに行うなど心がけましょう。

原因②偏った食生活

糖質たっぷりの甘いものやジャンクフードなどの脂っこい食事など、偏った食生活を続けていると栄養バランスが乱れやすくなります。
糖質を摂り過ぎると腸内で悪玉菌が増えやすくなり、脂身の多い肉をたくさん食べると消化が十分にできず、腸に負担がかかります。

また、極端な食事制限により体に必要な栄養素が不足してしまうことも、アトピー体質の方には良くありません。
特定の食べ物を食べて体調に変化がみられる場合を除き、食事制限し過ぎると体重減少や栄養不足など健康に悪影響をおよぼすおそれがあります。

もちろん、食物アレルギーが関与している場合もありますが、病院で検査してから行うことが賢明です。

原因③ストレスを溜め込みやすい

アトピー体質の方にとって、ストレスも悪化の要因になりかねません。ストレスが増えると自律神経のバランスが崩れやすくなるからです。

自律神経は活動モードの交感神経と、お休みモードの副交感神経から成り立ち、互いに調整しながら体の機能を維持しています。
しかし、ストレスがかかると交感神経が優位になり、過剰にアレルギー反応を起こしてしまいます。

また、ストレスによりイライラすると、つい皮膚をかきむしってしまうことがあります。
ストレスを受けるとかいてしまうのがクセになっている方もいるため、なかなか良くならないといったケースもあるようです。

出典:「アトピー性皮膚炎」(日本皮膚科学会)

アトピー体質の方の食事のポイント

豆類

アトピー体質の方は住環境や食生活、ストレスによる影響を受けやすいため注意が必要です。
ここでは、身近な食事のポイントについて紹介します。

体が喜ぶ食事を心がける

アトピー体質の方の原因は多岐に渡るため、食事だけでは対応しきれないことがあります。
とはいえ、毎日食べる食品の質を変えて、体の内側からケアしていくことは可能です。

また、複数の研究結果において、乳酸菌を上手に取り入れることがアトピー体質に有用という報告もあります。
手軽に乳酸菌を補えるヨーグルトですが、体に合わない方もいるため、体調を見ながら少しずつ試してみてください。

腸内環境を整えるために、納豆やぬか漬けなどの発酵食品を意識して摂るのもおすすめです。

野菜に含まれる食物繊維も善玉菌のエサになったり、便のカサを増やしたりする働きがあるため、過不足なく摂ることが大切です。

出典:「アトピー性皮膚炎とLGG®乳酸菌」
出典:「「カスピ海ヨーグルト」の乳酸菌がアトピー性皮膚炎を改善クレモリス菌 FC 株がアトピー性皮膚炎モデルへ与える効果を検証」

食べ物は質を吟味し食べ過ぎない

普段食べている食べ物のなかで特に注意が必要なのは、チョコレートなど糖分や脂質が多いお菓子や脂肪分が多く含まれているインスタント食品や肉、香辛料などの刺激物です。

個人差があるため、必ず制限しなければならないというわけではありませんが、ムズムズしたりジュクジュクしたりしている場合は、食べるのを控えたほうが良いでしょう。
ただし、食物アレルギーのある方や、医師の指示がある方は制限が必要です。

自己判断で食品を除去すると必要な栄養素が不足するおそれがあるため、必ず医師の指示に従ってください。

まず、アトピー体質の方が控えたいマーガリンやスナック菓子などにはn-6系脂肪酸が含まれているため、過剰摂取に注意が必要です。
とはいえ、脂質も体にとって必要な栄養素のひとつであり、まったく摂らないわけにはいきません。
n-3系脂肪酸を含むアマニ油や魚などを取り入れ、バランスを保つことが大切です。

どうしても肉が食べたいときは、食べる回数を減らしたり脂質の少ない肉を選んだりしましょう。
また、たんぱく質を補う方法として、大豆アレルギーがなければ大豆製品を活用するのもおすすめです。

ほかにも、肉や魚などの動物性食品を控え、大豆や野菜などの植物性食品を中心に取り入れるプラントベースの食生活もひとつの方法です。
植物性食品を積極的に取り入れるプラントベースの食生活を意識すると、自然と肉の摂取量を減らすことができるでしょう。

まとめ

アトピー体質の方は、住環境や偏った食生活、ストレスなどの影響を受けやすいといわれています。
これらの要因で肌に赤いブツブツができたり、ムズムズしたりすることがあります。

食生活が乱れている方は、乳酸菌や発酵食品など腸内環境を整える食材を摂ることを意識しましょう。

また、糖分や脂質が多い食品を食べ過ぎないことも大切です。

脂肪の多い肉などを頻繁に摂取している方は、植物性由来のものを積極的に取り入れるプラントベースの食生活を意識するのもひとつの方法です。

エシカルフードのプラントベースフード

私たち、エシカルフード株式会社は「食生活が、地球環境を守る」をテーマに、肉食を控える食生活~Meatless Diet(ミートレスダイエット)~という、新しいライフスタイル・価値観を提唱するために、2021年6月に発足しました。

地球にも、身体にも、動物にも優しいプラントベースドフードの企画開発・販売と“Meatless Diet”のための有益な情報発信を通じて、あなたの健康と地球環境を守りたいと考えています。

エシカルフードの商品ページはこちらから
https://ethical-food.co.jp/products/


【参考記事】
出典:「アトピー性皮膚炎」(厚生労働省)
出典:「ダニ対策のおすすめ時期・タイミング」(アース製薬)
出典:「アトピー性皮膚炎」(日本皮膚科学会)
出典:「「カスピ海ヨーグルト」の乳酸菌がアトピー性皮膚炎を改善クレモリス菌 FC 株がアトピー性皮膚炎モデルへ与える効果を検証」
出典:「アトピー性皮膚炎とLGG®乳酸菌」
出典:「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021」(日本皮膚科学会ガイドライン)