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2024.06.24

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研究で明らかに!早期死亡リスクを約3分の1減少させるのは【地球環境に優しい食生活】

厚生労働省が2023年9月に公表した「2022年の人口動態統計」によると、日本人の癌による死亡数は、38万5,797人(男性が22万3,291人、女性が16万2,506人)で、死亡数全体の24.6%を占めました。
国立がんセンターによると、日本人は、男性の癌の43.4%、女性の癌の25.3%は、生活習慣や感染が原因で癌となったと発表しています。

生活習慣は普段、私たち自らが改善できることです。
中でも、食事は私たちの身体を作っており、健康的な身体を維持するために食生活を気にしている方は多いではないでしょうか。
今回は、エシカルフードの芦野が2024年6月にCNNで報告された早期死亡リスクを軽減する食事の研究結果をご紹介いたします。

将来のあなたの健康を守る食事の選択肢としてお役に立てますと幸いです。

環境に優しい食生活が早期死亡リスクを3分の1減少させる

アメリカのCNN の新たな研究によると、果物、野菜、全粒穀物を主としたプラントベースの食生活を継続することで、下記のメリットが報告されています。

・早死にするリスクが3分の1近く減少する
・地球を破壊している温室効果ガスの放出が大幅に削減される

上記、CNNの研究の詳細は後述します。

また、米国立がん研究所(NCI)からは、食事エネルギー摂取量からみて、動物性タンパク質の3%を植物性タンパク質で置き換えた人は、16年間の追跡期間で全死因による死亡リスクが10%減少し、心血管疾患の死亡リスクも、男性で11%、女性で12%、それぞれ減少したという研究結果が得られました。

CNNの研究で明らかになった【地球にも身体にも動物にも優しい食事】とは?

2019年、 16か国から37人の一流科学者で構成されるEAT-Lancet委員会は、数十億人の食糧供給による環境への影響を軽減しながら、人間の健康を最大限に高めるという2つの目標を掲げた食事法(プラネタリーヘルスダイエット)を考案しました。

プラネタリーヘルスダイエットは、肉や乳製品の摂取量を少量に抑え、さまざまな果物や野菜、全粒穀物、豆類、その他の植物性タンパク質の摂取を増やすことを重視したものです。

プラネタリーヘルスダイエットを実践して得られた結果

プラネタリーヘルスダイエット

アメリカ臨床栄養学ジャーナルに掲載された先述のプラネタリーヘルスダイエットの研究は、20万人以上の女性と男性から集めた食事データを分析し、EAT-Lancetの食事ガイドラインとどのように一致するかを調べました。

ちなみにこの研究は、30年以上にわたって食事評価を繰り返した、かなり大規模で長期的な研究であり、統計的な精度がより高くなっています。

対象者は全員、長期にわたる政府の調査に参加しており、調査開始時には大きな病気はありませんでした。
調査参加者は34年間にわたり4年ごとに食事に関するアンケートに回答し、研究者に膨大な量のデータを提供しました。

研究者らは、下記のような15 の食品群の摂取量に基づいて分類し、食生活に点数を付けました。
・全粒穀物、塊茎、野菜、果物、豆類、大豆食品、オリーブオイルなどの不飽和植物油
・牛、羊、山羊、豚、鶏など、土地を大量に必要とする食品
・多くの健康リスクが知られている添加糖

結果、プラネタリーヘルスダイエットを最も忠実に守っている人は、下記の死亡リスクが低かったという結果が得られました。
・神経変性死亡リスク(28%低かった)
・心血管系疾患で死亡するリスク(14%低かった)
・がんで死亡するリスク(10%低かった)
・呼吸器系疾患で死亡するリスク(47%低かった)

「健康的な食生活は環境の持続可能性を高め、それはひいては地球上のすべての人々の健康と幸福にとって不可欠である 」とハーバード大学教授のウォルター・ウィレット氏は述べています。

プラントベースが環境に優しい理由

プラントベースが環境に優しい理由を解説します。
家畜の飼育は、膨大な農地を使用し、森林破壊、生物多様性の喪失、水質汚染の一因となっているのは、すでにご存じの方も多いのではないでしょうか。
畜産業だけが一概に環境を破壊しているというわけではありませんが、肉食はエネルギー効率が悪く、環境負荷が高いのが現状です。

畜産動物と温室効果ガスについて

国連環境計画によると、 牛、羊、山羊の げっぷや糞はメタンを発生させます。
メタン は、20年間で地球を温暖化させる 二酸化炭素の80倍の力を持つ温室効果ガスです。

世界中にいる牛や羊などの反すう家畜から出てくるメタンの総量は、世界における温室効果ガスの総排出量の5%を占める(CO2換算)といわれています。
(IPCC第6次評価報告書 第3作業部会報告書(2022))。

たとえば、成牛 1頭は1日に最大500リットルのメタンをげっぷやおならで放出します。
これらを合計すると、世界の温室効果ガス総排出量の約15% を排出することになると専門家は指摘しています。
また、国連のデータによると、家畜の環境インパクトはメタンガスの排出だけでも、自動車とトラックのCO2の排出を合わせたよりも害が大きいとされています。

畜産業と水資源について

世界食料機構のデータによれば、すべての農地のうち約33%が家畜飼料の栽培に使用されています。1kgの牛肉を作るには20,000kg以上の水が必要というデータもあります。

環境省によると、1kg のトウモロコシを生産するには、1,800 リットルの水が必要で、 牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kg を生産するには、その約20,000 倍もの水が必要だと指摘しています。

植物の栽培にも水が必要ですが、畜産動物が生育する過程で消費される水と比べるとはるかに少なく済みます。

畜産業とエネルギー消費について

温室効果ガス排出量

畜産動物を育てるのには長い時間と労力がかかり、食肉となったあとにもエネルギーがかかります。
食肉は精肉加工場から店頭に並ぶ流通過程において、冷蔵または冷凍し続けられることが求められます。冷蔵倉庫の維持のためや電力や輸送の過程にもトラックから別途二酸化炭素が排出されています。

畜産業と食糧危機について

国連食糧農業機関(FAO)のデータによると、世界の土地の約26%は家畜の放牧に、約33%は飼料の栽培に使われています。
もし畜産動物の飼育や飼料用作物の栽培に使用している土地を、私たちが食べる作物用の土地に活用することが出来れば、飢餓で苦しむ人々への食糧供給へまわすことも可能となります。

増え続ける世界人口と飢餓問題

世界規模で見ると世界の人口は増加し続け、1年で1億人近く増加しており、2024年では81億人を越えました。
国連のデータによると2050年には2019年から26%増の97億人に、2100年には42%増の109億人にまで増えることが予測されています。
地球上の耕作可能な土地は限られているため、人口増加による食糧危機が刻一刻と近づいてきていると言っても過言ではないでしょう。

しかし、私たちが地球に優しい食生活を実践すると、土地利用が51%、温室効果ガス排出量が29%、肥料使用量が21%削減され、同時に人々の寿命も延びるという研究結果がCNNによって報告されているのです。

まとめ

私たちが食生活を変えることで地球の気候変動を遅らせることができるとしたら。
しかも、私たちの健康にとっても動物にとっても最善の道だとしたら、おのずと私たちが本当に選ぶべき食生活が見えてくるのではないでしょうか?

先述の通り、プラントベース食品は、生育に必要な資源の総量が少なく、地球環境に優しいです。
工場型畜産で劣悪な環境の中、畜肉になるまで苦しむ畜産動物の数も減らすことができます。
私たち消費者が、環境にも身体にも動物にも優しい食生活を取り入れることで、市場のニーズをより本物志向へ向かせることができるでしょう。

先述のプラネタリーヘルスダイエットは、最近トレンドのフレキシタリアンのライフスタイルと言えるので、実践するハードルは低く取り入れやすいのでおすすめです。

私たちの健康を守ることが地球や動物たちの健康も守ります。
私たち個々が自分のため、大切な人のため、未来の子供たちのために改めて食生活を見直し、健康にも地球にも優しい食生活を実践しましょう。

エシカルフードのプラントベースフード

私たち、エシカルフード株式会社は「食生活が、地球環境を守る」をテーマに、肉食を控える食生活~Meatless Diet(ミートレスダイエット)~という、新しいライフスタイル・価値観を提唱するために、2021年6月に発足しました。

地球にも、身体にも、動物にも優しいプラントベースドフード」の企画開発・販売と“Meatless Diet”のための有益な情報発信を通じて、あなたの健康と地球環境を守りたいと考えています。

エシカルフードの商品ページはこちらから
https://ethical-food.co.jp/products/