近年、菜食主義者に対応した「ソイミート」や「プラントベース」といった言葉が多く聞かれるようになりました。
なかには「友人がベジタリアンになった」など、身近な方がベジタリアンに移行した方もいることでしょう。なぜそこまでベジタリアンが増えているのでしょうか?そこで今回は、「最近ベジタリアンが増えた理由」についてご紹介します。
ベジタリアンとは一体なに?
ベジタリアンとは、「菜食主義者」という意味をもつ言葉です。
野菜や豆・穀物といった植物由来の食品を選び、動物性の食品を一切口にしない、または動物性のなかでも限られた食品しか食べない人のことを指します。ベジタリアンは主に以下のように分類されます。
(参考:日本ベジタリアン協会)
- ・ ヴィーガン
- ・ ラクト・ベジタリアン(乳・乳製品を食べる)
- ・ ラクト・オボ・ベジタリアン(乳・乳製品・卵を食べる)
- ・ ペスコ・ベジタリアン(乳・乳製品・卵・魚を食べる)
- ・ ポーヨー・ベジタリアン(乳・乳製品・卵・魚・鶏肉を食べる)
しかし、国際ベジタリアン協会では魚や鶏肉を食べる人々を「ベジタリアン」として認めていないのが現状です。
いずれも、牛や豚といった食肉を口にすることはありません。
ヴィーガンとの違いは?
先述したように、ヴィーガンもベジタリアンです。
主にヴィーガンはベジタリアンのなかでも動物性のものを一切食べない人を指します。別名を「ピュア・ベジタリアン」。ヴィーガンでは白砂糖・ゼラチンなど、製造過程で動物性の材料を使用している食品の摂取も控えています。また、食品だけでなく革製品や毛皮といった動物製品を身につけることもありません。動物由来のものを徹底的に排除している人を指しているといえるでしょう。
ベジタリアンになる理由は主に3つ
ではなぜ最近、ヴィーガンをはじめとするベジタリアンが増えてきているのでしょうか。ここでは、ベジタリアンになる理由3つご紹介します。
ダイエット・健康意識の向上
まずは、ダイエットなど健康志向の向上があげられます。
動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸は、健康への影響が大きいといわれるため、日本国内でも食肉の摂取を控える動きが高まっています。また、腸内環境を改善してダイエットや健康的な生活を目指す人も増えてきました。動物性食品の摂取を控えることで、悪玉菌の繁殖を抑える効果が得られるため腸活にも有効です。
コレステロールが気にならない若い女性なども、ダイエットや美肌のためにベジタリアンに移行しています。「自身の健康とパフォーマンスを考えたら、ベジタリアンに行き着いた」というスポーツ選手やアスリートも少なくありません。
地球環境への配慮
家畜による温室効果ガスの排出などの、地球環境の問題からベジタリアンへ移行する人々も存在します。ここ数十年で世界の畜産業は大きく変化しました。日本だけで見ても畜産物の消費量は、1961年の一人あたり8.1kgから1995年には47.9kgへと約5.9倍に増加。(参考:京都大学OWC)
今や、牛・豚・鶏といった家畜は、世界で量産されているのが現状です。そんななか、2013年国連食糧農業機関FAOでは、世界で排出される温室効果ガス排出量の14.5%が畜産業に由来すると発表しました。飼料の製造工程ではもちろんのこと、動物自身が排出するガスも多いことが報告されています。このことを受けて、地球にとって負担の大きい動物性から植物性へと移行した人々が増えています。
動物・命の尊重
ヴィーガンの思想であるヴィーガニズム(Veganism)は、動物の搾取や苦しみを与える行動を止める生き方です。近年では、SNSや動画配信サービス内の海外のドキュメンタリーなどで、「命」について考え、自らの意思でベジタリアンに移行する若者が増えています。情報がカンタンに手に入るようになったことで、今まで知らなかった畜産業の世界や、屠殺の現場などの情報を得られるようになったといえるでしょう。
自らの食生活を変えることで、動物の権利や命の尊重を示しています。
まとめ|情報が入りやすい時代だからこその選択
最近、ベジタリアンが増えている理由としては、健康志向の向上や地球環境・動物の命への配慮などがあげられました。テレビの情報だけでなく、SNSや動画配信サイトからの情報が入りやすい時代だからこその選択といえるでしょう。
ベジタリアンがより身近な存在になることで、ソイミートやプラントベースなどの普及も期待できます。
ベジタリアンが、スタンダードなライフスタイルになる日はそう遠くないのかもしれません。