健康寿命とは、自立して日常生活を送れる期間を示します。
一方、平均寿命は生まれた時点で推定される寿命のことです。健康寿命が長ければ、自立した生活をより長く楽しむことができ、社会貢献できたり充実した毎日を過ごせたりします。
今回は、管理栄養士の下田さんに健康長寿のための食習慣と、普段の生活に役立つ実践的な方法について解説いただきます。
管理栄養士の下田さんについては下記のプロフィールをご覧ください。
なぜ健康寿命は重要なのか?
健康寿命が延びると、私たちにどのようなメリットがあるのでしょうか?健康寿命の理解を深めるために、まずはその重要性について考えていきましょう。
平均寿命と健康寿命の違い
平均寿命とは、人が生まれてから亡くなるまでの平均的な期間のことです。一方、健康寿命は健康上の問題により、日常生活が制限されることなく生活できる期間を示します。
一般的に平均寿命は健康寿命よりも長くなります。
労働省の報告によると、2023年の平均寿命は、男性81.09年、女性87.14年でした。前年と比べて男性は0.04年、女性は0.05年延びていることがわかります。
また、2022年の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳でした。2001年の健康寿命は男性69.40歳、女性72.65歳であり、時代とともにそれぞれ健康寿命が延びています。
健康寿命を延ばすことのメリット
健康寿命を延ばすことには多くのメリットがあります。
例えば、健康であれば、年齢を重ねても仕事を続けられたり、ボランティア活動に参加したり、趣味を楽しむこともできます。社会との関わりが保たれ、心身ともに充実した人生を送れるでしょう。
また、病気や介護が必要になる期間が短くなれば、本人だけでなく家族の負担も減らせます。
病院に通う頻度が少なくなれば、医療費や介護費の負担も抑えることができるでしょう。健康的な生活を維持することで、生活習慣病のリスクも軽減できる可能性があります。
健康長寿を目指すための食事法とは?

健康長寿を目指すことで、長く健康で充実した生活を送れるようになります。ここでは、日本人の体質や食文化に合わせて、健康長寿を目指したい方におすすめの食事法を紹介します。
まごわやさしいを意識する
「まごわやさしい」とは、健康的な食生活の基本となる食材を覚えやすくまとめた言葉です。具体例は下記の通りです。
食材 | 具体例 |
---|---|
ま:豆類 | 納豆、豆腐、味噌、枝豆など |
ご:ごま・ナッツ類 | くるみ、アーモンド、すりごまなど |
わ:わかめ・海藻類 | ひじき、昆布、もずく、のりなど |
や:野菜 | ほうれん草、人参、ごぼう、大根など |
さ:魚 | サバ、イワシ、アジ、鮭など |
し:しいたけ・きのこ類 | エノキ、しめじ、マイタケなど |
い:いも類 | さつまいも、じゃがいもなど |
これらの食材を意識して摂ることで、バランスの良い食事を目指せます。
たんぱく質をしっかり摂る
たんぱく質は筋肉のもとになる栄養素です。たんぱく質が不足すると、筋肉量の減少や筋力低下を招き、代謝低下や免疫力低下が懸念されます。
健康寿命を延ばすために、たんぱく質を過不足なく摂ることが大切です。
たんぱく質は肉や魚、大豆製品、卵、乳製品などに含まれているため、毎食1品は取り入れましょう。
たんぱく質は一度にたくさん摂取するよりも、毎食適量摂取するほうが、効率的に筋肉の合成を促せるといわれています。
食事で摂るのが難しい場合は、間食にヨーグルトを取り入れるなど工夫するとよいでしょう。
たんぱく質が豊富な大豆ミートのレシピは下記URLが参考になりますので、覗いてみてください♪
https://ethical-food.co.jp/recipe/
発酵食品を積極的に摂る
腸内環境を整えることで、健康長寿が目指せます。特に、腸内環境を整える発酵食品は、昔から日本人に馴染みのある食品のため、食生活に取り入れることをおすすめします。
例えば、納豆や味噌、ヨーグルト、ぬか漬けなどは食生活に取り入れやすいため、普段の食事に加えてみてはいかがでしょうか?納豆は手軽に食べられるため、忙しい朝に重宝します。
塩分を控えめにする
2022年の「国民健康・栄養調査」によると、成人1人あたりの1日の平均食塩摂取量は9.7gと報告されています。
男女別で比較すると、男性が10.5g、女性が9.0gでした。
年々食塩摂取量は減少傾向にありますが、食塩摂取量の目標値は男性7.5g未満、女性6.5g未満と設定されているため、普段から塩分を摂り過ぎないようにすることが大切です。
減塩対策として、だしを活用したり、香味野菜やスパイスを使用したりすると、無理なく塩分を控えることができます。
味噌汁の塩分が気になる場合は、野菜たっぷりの具だくさんの汁物を作るとよいでしょう。
塩分の排出を促すために、野菜や果物、海藻類など、カリウムを含む食品を取り入れることもおすすめです。
健康的な食生活を続けるコツ

健康的な食生活を長く続けるためには、無理なく実践できル方法を取り入れることが大切です。下記のポイントを意識して、健康寿命を延ばしましょう。
料理のバリエーションを増やす
特定の食品ばかり食べていると、飽きやすいのが難点です。楽しみながら食事ができるように、食事のバリエーションを増やすとよいでしょう。レパートリーが増えると、日々の食卓が豊かになります。
例えば、旬の食材を取り入れると料理に変化をつけやすくなります。
旬の食材は栄養価が高く、季節感もあるのでおすすめです。忙しい日でも簡単に作れるメニューを用意しておくと便利です。
無理な食事制限はしない
極端な糖質制限やカロリー制限は、体調不良を引き起こす原因になりかねません。健康長寿を目指すために、無理な食事制限ではなく、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
主食、主菜、副菜を基本に、さまざまな食品を取入れることが重要です。
特に、肉や魚などに多く含まれるたんぱく質や野菜や果物などに多く含まれる、ビタミン・ミネラルは意識して摂取しましょう。和食のように、伝統的な食事を取り入れることもおすすめです。
食事は栄養素を補うだけでなく、楽しみのひとつです。制限ばかりの食事ではなく、おいしいものを適度に楽しみながら、健康的な食生活を送りましょう。
生活リズムを整える
健康長寿になるには、生活リズムを整えることも大切です。体内時計を意識して、規則正しい生活を送ることで、健康な状態をキープしやすくなります。
なるべく同じ時間に起床し、日光を浴びることもおすすめです。
朝日は体内時計をリセットする働きがあり、活動モードへ切り替えるスイッチになります。また、朝食をとることで、脳や体にエネルギーを供給できます。
食事と合わせて適度な運動や十分な睡眠、ストレス対策なども意識しましょう。
まとめ
健康で長生きすることで、より長く家族や友人との楽しい時間を共有できます。
旅行や趣味を楽しんだり、充実した日々を過ごしたりすることができるでしょう。
寿命を延ばすことで大切なことは、「元気に長生きする」ことです。そのために、日々の食生活を見直し、健康的な習慣を身につけることが大切です。
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【参考記事】
・出典:「令和5年簡易生命表の概況」(厚生労働省)
・出典:「平均寿命と健康寿命」(厚生労働省e-ヘルスネット)
・出典:「令和4年 国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)
・出典:「日本人の食塩摂取量(2020年版)」(厚生労働省)