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2024.11.29

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全粒粉やスペルト小麦はグルテンフリー?管理栄養士がおすすめする選び方と注意点

グルテンフリー食品は、健康を気遣う方にとって欠かせないものとなっています。
しかし、その種類は多岐にわたり、どれを選べばいいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか?

今回は、全粒粉やスペルト小麦の特徴や、グルテンフリー食品を選ぶ際のポイントについて管理栄養士の下田さんに解説していただきます。
管理栄養士の下田さんについては下記のプロフィールをご覧ください。

グルテンフリー食品の特徴

グルテンとは、小麦や大麦などの穀物に含まれるタンパク質の一種で、パンや麺をこねるときに粘り気を出したり、ふっくらとした食感にしたりするはたらきがあります。

一方、グルテンフリーとは、グルテンを一定量以上含まない食品や、グルテンを避けるライフスタイルのことです。
もともと、セリアック病という疾患の人向けに考えられた食事法です。
セリアック病の方は、グルテンを摂取すると腸に炎症を起こしてしまうため、グルテンを避ける必要があります。

また、最近ではセリアック病の方だけでなく、健康志向の方や美容に興味がある方からも人気です。
グルテンフリー食品を選ぶことで消化を助けたり、過剰に摂取していたカロリーを調整できたりするなどの効果が期待されています。

グルテンを多く含む食べ物

グルテンは馴染みのあるものから意外なものまで、さまざまな食べ物に含まれています。
グルテンを多く含む食材・食品は下記の通りです。

・パン、麩
・麺類(パスタ、ラーメン、うどんなど)
・餃子やしゅうまいの皮
・揚げ物の衣(天ぷら、とんかつ、唐揚げなど)
・カレー、シチューのルウ
・菓子類(ケーキ、クッキー、まんじゅうなど)
・酒類(ビール、麦焼酎など)
・調味料(醤油、味噌など)

出典:「新解説 グルテンフリー穀物による麦芽とビール醸造(1)」
出典:「小麦の代替について」(小倉医療センター)

全粒粉やスペルト小麦はグルテンフリー?

小麦粉

「この食品はグルテンフリー?」というように、判断に迷う食材もあります。

例えば、全粒粉やスペルト小麦です。これらの食材には、グルテンが含まれているため、グルテンフリーではありません。それぞれの特徴は下記の通りです。

全粒粉の場合

全粒粉はグラハム粉と呼ばれることもあり、胚芽や胚乳、ふすまを取り除かずに使用して粉状にした小麦粉です。
小麦を丸ごと使用するため、食物繊維やカリウム、マグネシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。

全粒粉は精製された小麦粉に比べてグルテンの量が少ないものの、グルテンを含む食材のため、グルテンフリーとはいえません。
全粒粉をそのまま使うとひび割れや、まとまりにくいといったデメリットがあるため、パンを作る際に薄力粉や強力粉などを混ぜて使うことがほとんどです。

スペルト小麦の場合

スペルト小麦とは、一般的な小麦の祖先にあたる古代小麦の一種です。もちろん、スペルト小麦にもグルテンが含まれています。
ただし、精製された小麦と比べてスペルト小麦は、アレルギー反応性が少ないといわれています。

とはいえ、スペルト小麦にはグルテンが含まれているため、セリアック病の方や小麦アレルギーの方は注意が必要です。
心配な方は、必ず医師に相談してから摂取するか検討しましょう。

出典:「全粒粉って何?特徴や栄養素、小麦粉との違いとは」(神戸製菓専門学校)
出典:「スペルト小麦にグルテンは含まれているのか。」(ベーカリスタ株式会社)

グルテンフリー食品を選ぶときのポイント

グルテンフリーパン

グルテンフリー食品の中でも、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、グルテンフリー食品を選ぶ際に、気を付けるべきポイントを紹介します。

原材料表示をチェックする

小麦が含まれているものの中には、見た目では判断できないものもあります。そのため、原材料表示をしっかり確認しておきましょう。

商品のパッケージに記載されている原材料表示は、配合割合が多い順に記載されています。
小麦の表示が後ろのほうに書かれているものもあるため、見逃さないようにしましょう。

また、小麦が含まれている商品と共通の設備で製造していないか確認することも大切です。
「小麦を含む製品と共通の設備で製造しています」などの表示がある場合、製造過程で原材料以外の食品などが混入するおそれがあるため、チェックしておくと安心です。

グルテンフリー認証マークがあるか確認する

グルテンを含まない食品を選ぶ際は、「GFCO認証マーク」が付いているかを確認するのが確実です。
この認証は、GFCO(Gluten-Free Certification Organization)という認証機関が実施しているものです。
世界的にも厳しい基準のひとつで、グルテンの含有量が小麦など1kg当たり10ppm(0.001%)以下と定められています。

このマークがある商品は、厳格な検査を経て認証されているため、グルテンに敏感な方でも安心して選ぶことができます。

食品添加物が少ないものを選ぶ

「グルテンフリー食品」と表示されているからといって、必ずしもすべての食品添加物が含まれていないとは限りません。
保存料や酸化防止剤、着色料などの食品添加物が含まれているものもあるからです。

健康のためにせっかくグルテンフリー食品を選ぶのであれば、原材料表示を参考にしながら、なるべく自然な形で作られたものを選ぶことが大切です。

目的に応じて使い分ける

グルテンフリー食品には、少し手を加えるだけで食べられるタイプと、いちから作る粉タイプのものがあります。
グルテンフリー生活が始めての方におすすめなのが、パンやパスタ、大豆ミートのグルテンフリーハンバーグなどすでに加工された食品です。
特別な調理の必要がなく、いつもの食事に手軽に取り入れられるのがポイントです。

市販のグルテンフリー食品は、味や食感などが通常の食品と異なる場合があるため、レビューや口コミを参考にしながら、自分の好みに合う食品を選びましょう。

一方、料理好きな方や、よりこだわりたい方には、粉タイプのグルテンフリー食品や大豆ミート等がおすすめです。
米粉、そば粉、アーモンドプードルなど、さまざまな種類の粉を使ったり、お肉の代わりに大豆ミートでミートボールを作ったりと自分好みの料理を作ることができます。

グルテンフリーを選ぶときに注意すべきこと

グルテンフリー食品は体に良いイメージがありますが、小麦にも体に必要な栄養素が含まれています。
長期間グルテンフリーの食生活を行う場合は、食物繊維や鉄分が不足しないように注意が必要です。

豆類や野菜、果物など、さまざまな食品を取り入れながら、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。

まとめ

グルテンが含まれていないと誤解されがちな全粒粉やスペルト小麦ですが、グルテンフリー食品ではありません。
グルテンフリー食品を選ぶときは、原材料表示をしっかりと確認し、自分に合ったものを選択しましょう。

また、グルテンフリー認証マークがあると、より安心して選ぶことができます。

グルテンフリーを普段の食事に取り入れるときは、栄養バランスを崩さないことが大切です。
小麦に含まれる栄養素をほかの食品で補い、さまざまな食材をバランス良く摂取しましょう。

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【参考記事】
出典:「新解説 グルテンフリー穀物による麦芽とビール醸造(1)」
出典:「小麦の代替について」(小倉医療センター)
出典:「全粒粉って何?特徴や栄養素、小麦粉との違いとは」(神戸製菓専門学校)
出典:「スペルト小麦にグルテンは含まれているのか。」(ベーカリスタ株式会社)
出典:「欧米・豪州等6か国、組織におけるグルテンフリー表示に係る調査報告書」(農林水産省)