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2025.05.07

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プラントベースで和食を楽しむ!アレンジのコツとおすすめレシピを管理栄養士がご紹介

健康志向の高まりや環境保護などの理由なら、近年注目を集めるプラントベースの食生活。実は、伝統的な和食とプラントベースフードは相性がよく、組み合わせることで新たな食の楽しみが広がります。

今回は、管理栄養士の下田さんにプラントベースフードを和食に取り入れるためのアレンジのコツや、家庭で手軽に作れるおすすめレシピをご紹介いただきます。
管理栄養士の下田さんについては、下記のプロフィールをご覧ください。

日本人の健康を支えてきた和食の特徴

昔から親しまれてきた和食は、日本人の健康を支えてきました。2013年には、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的にも注目を集めています。
まずは、和食の特徴についてみていきましょう。

新鮮な旬の食材とその持ち味を活かす工夫

南北に長い日本列島は、海や山、里などの自然が豊富です。それぞれの土地で育った食材を使用し、素材がもつおいしさを引き出すために、昔からさまざまな調理法や便利な道具が使われてきました。
旬のものを味わい、素材の持ち味を大切にするのが、和食の魅力といえるでしょう。

栄養バランスが整いやすい健康的な食生活

和食の基本は「一汁三菜」。主食、主菜、副菜、汁物から成り立ち、栄養バランスを整えやすい特徴があります。
また、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の成人の望ましいエネルギー産生栄養素バランスは以下の通りです。

・炭水化物:50~65%エネルギー
・たんぱく質:13~20%エネルギー
・脂質:20~30%エネルギー

和食は上述の基準に近い理想的な栄養バランスに、自然と整えることができます。また、昆布や鰹節などに含まれる「うま味」を効果的に活用することで、動物性の食材の使用を控えても満足感のある食事が可能です。
和食は、日本人の健康長寿や肥満予防に貢献していると考えられています。

自然の美しさや季節の変化を表現

日本の食事では、料理そのものの味だけでなく、盛り付けや器を通して自然の美しさや季節の移ろいを表現することも大切にされています。
旬の草花や葉を添えたり、季節感のある器を活用したりするなど、季節感を演出しながら豊かな食体験ができるよう配慮されています。

年中行事と深く結びついた食文化

日本の食文化は、お正月や節句などの年中行事と深く結びついて発展してきました。それぞれの行事には、自然の恵みへの感謝や家族の健康を願う意味が込められた特別な料理があります。

例えば、お正月には家族の幸せや健康を願う意味が込められている「おせち料理」を食べます。
黒豆には「まめに暮らせるように」、伊達巻きは「知識が増えるように」など、さまざまな意味があるのです。

和食のメリット

和食

和食に合わせやすいご飯は、体内では合成できない必須アミノ酸を豊富に含んでいますが、リジンが不足しています。
一方、味噌汁などに使われる大豆製品は、すべての必須アミノ酸をバランスよく含んでいるのが特徴です。この組み合わせにより、和食は理想的なアミノ酸バランスに近づけることができるのです。

また、和食には、味噌、醤油、納豆などの発酵食品が多く含まれています。
これらの食品は、腸内環境を整える効果が期待されており、免疫力の向上にも役立ちます。また、旬の野菜を取り入れることで、季節ごとに必要な栄養素を効率的に摂取することができるのもポイントです。

和食にアレンジ!プラントベースフードを使ったレシピ

プラントベースフードとは、動物性食品を使用せず、植物性食品を中心とした食事のことです。
和食の特徴である植物性食品中心の食事スタイルと相性がよく、さまざまなアレンジが可能です。
ここでは、プラントベースフードの大豆ミートを使用した、和食のアレンジレシピを紹介します。

1.ひじきとエシカルミンチの炒り煮

カルシウムが豊富なひじきと大豆ミートを組み合わせた栄養満点の一品です。
ひじきに大豆ミートを加えることで、食べ応えがアップします。だしの旨みが加わり、ご飯のお供におすすめです。

「ひじきとエシカルミンチの炒り煮」のレシピの詳細は下記のレシピページを参照ください。

2.エシカルミンチでごぼうの炊き込みご飯

食物繊維が豊富なごぼうと大豆ミートを使用した、風味豊かな炊き込みご飯です。噛むほどに素材の味が口の中に広がり、奥深い味わいが楽しめます。食物繊維もたっぷり摂れるので、便秘気味の方にもおすすめです。

「エシカルミンチでごぼうの炊き込みご飯」のレシピが気になる方は下記記事をご覧ください。

3.エシカルミンチ入りれんこんの白和え

れんこんのシャキシャキとした食感と、しっとりとした大豆ミートの食感が楽しめる和食の定番「白和え」です。胡麻の風味が引き立ち、上品な味わいに仕上がります。和え衣と素材の優しいハーモニーが楽しめます。

「エシカルミンチ入りれんこんの白和え」のレシピが気になる方は下記をご覧ください。

4.エシカルミンチの3色弁当

彩り豊かな具材と大豆ミートを使用した、栄養バランスのよいお弁当です。手軽にプラントベースフードが楽しめるのがポイントです。

「エシカルミンチの3色弁当のレシピ」の詳細は下記の記事が参考になります。

5.ごぼうとエシカルミンチの甘辛煮

食物繊維たっぷりのごぼうと大豆ミートを甘辛く味付けした、ご飯が進む一品です。ごぼうの香りや食感と大豆ミートのコクが甘辛いタレと相性抜群。白いご飯がほしくなる、しっかりとした味わいが魅力です。食物繊維も豊富に摂取でき、満足感があります。

「ごぼうとエシカルミンチの甘辛煮」のレシピが気になる方はこちらからどうぞ。

プラントベースフードを和食に取り入れるコツ

食事

プラントベースフードを和食に取り入れる上で大切なことは、栄養バランスを考えた献立にすることです。ここでは、継続して取り入れるポイントとともに紹介します。

栄養バランスを意識した食事のポイント

・たんぱく質を確保する
➡肉や魚を使わない代わりに、豆腐、納豆、味噌などの大豆製品を積極的に取り入れましょう。高野豆腐や湯葉なども良質なたんぱく質源です。

・ビタミンB12を補う
➡植物性食品にはほとんど含まれないビタミンB12は、海苔やわかめなどの海藻類に微量に含まれますが、必要量を満たすのは難しい場合があります。
植物性食品のみを使用する場合は、栄養強化食品やサプリメントを上手に活用することも検討しましょう。

・鉄を意識して摂る
➡植物性食品に含まれる鉄は、一般的に吸収率が低いとされています。
ほうれん草、小松菜、ひじき、海苔などには鉄が多く含まれているため、意識して食事に取り入れましょう。
また、ビタミンCを多く含む野菜や果物と一緒に摂ることで、鉄の吸収率を高めることができます。

・オメガ3脂肪酸を摂る
➡青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は、えごま油や亜麻仁油などの植物性オイルからも摂取できます。ドレッシングにしたり、仕上げにかけたりして、毎日の食事に取り入れるのもおすすめです。

継続的に取り入れるための工夫

プラントベースの和食を無理なく続けるためには、日々の工夫が大切です。具体例は下記の通りです。

◆少しずつ置き換える
…最初からストイックにすべてをプラントベースにするのではなく、まずは週に1回、あるいは1つの料理から試してみましょう。
例えば、肉じゃがの肉を厚揚げに変える、魚の代わりに豆腐を使い、あんかけにするなど、簡単にできることから始めるのがおすすめです。

◆季節の食材を活用する
…旬の野菜や果物は栄養価が高く、風味も豊かです。
季節ごとに美味しい食材を取り入れることで、献立のバリエーションが広がり、飽きずに続けることができます。地元の食材を使うのもよいでしょう。

◆調理法を工夫する
…焼く、煮る、蒸す、炒める、揚げるなど、さまざまな調理法を試してみましょう。
同じ食材でも調理法を変えることで、食感や風味が変わります。出汁を昆布や椎茸などの植物性食品から丁寧に取ることで、満足感の高い味わいになります。

◆発酵食品を活用する
…味噌、醤油、納豆、漬物などの発酵食品は、プラントベースの食生活に深みと風味を加えてくれます。
腸内環境を整える効果も期待できるため、積極的に取り入れましょう。

日本の食文化とプラントベースフードの融合で得られること

植物性食品を中心とした食事は、豊富な食物繊維、ビタミン、ミネラルを効率的に摂取できるため、健康を維持しやすくなります。
さらに、環境にも配慮できるのもポイントです。植物性食品は、動物性食品よりも温室効果ガスの排出量や水の使用量が少なく、地球環境への負荷を軽減することができます。

また、これまで馴染みのなかった食材や調理法に挑戦することで、料理のスキルアップにもつながり、食生活がより豊かになるでしょう。
日本の食文化のよさを大切にしながら、プラントベースフードという新しい食文化を取り入れることは、伝統と革新の融合といえます。

日本人が慣れ親しんできた和食の健康的な側面を活かしつつ、プラントベースフードのメリットを取り入れることで、より今の時代に合う持続可能な食生活が目指せます。

【まとめ】プラントベースフードと和食の新しい可能性を未来へ!

和食の伝統とプラントベースフードの組み合わせは、日本の食文化に新たな可能性をもたらします。
栄養バランスを整えやすい和食の基本を守りつつ、環境に配慮したプラントベースの食材を取り入れることで、健康的で持続可能な食生活を実現できるでしょう。

エシカルフードのプラントベースフード

私たち、エシカルフード株式会社は「食生活が、地球環境を守る」をテーマに、肉食を控える食生活~Meatless Diet(ミートレスダイエット)~という、新しいライフスタイル・価値観を提唱するために、2021年6月に発足しました。

地球にも、身体にも、動物にも優しいプラントベースドフードの企画開発・販売と“Meatless Diet”のための有益な情報発信を通じて、あなたの健康と地球環境を守りたいと考えています。

エシカルフードの商品ページはこちらから
https://ethical-food.co.jp/products/


【参考】
・出典:「「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されています」(農林水産省)
・出典:「1-5 エネルギー産生栄養素バランス – 1 基本的事項」(厚生労働省)
・出典:「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」(公益財団法人長寿科学振興財団)
・出典:「ちょうどよいバランスの食生活」(農林水産省)