COLUMN

2023.07.05

COLUMNフレキシタリアンについて/ライフスタイルベジタリアンについて/ライフスタイル今年のトレンド/ライフスタイル現代食生活について/ライフスタイル環境について考えてみよう/環境/食糧/畜産/SDGs

【ベジタリアン断食の魅力】アスリートが解説!身体と地球にやさしい究極の健康法

一昔前までは、断食というと修行僧や一部のストイックな人だけが取り入れるものといったイメージが強かったかもしれません。
しかし最近は、インターネットの普及などによって、情報伝達のスピードなどが上がったことなどもあり、健康や美を意識して断食を取り入れる人たちも増えてきています。

断食の魅力やメリットは健康や美だけではありません。
断食は地球環境にとっても大きなメリットがあります。
今回は、ベジタリアンアスリートの池野さんに上記内容を含め、更に具体的な断食方法などについても解説していただきます。

ライター池野さんについては下記のページをご覧ください。

ベジタリアン断食で得られる2つのメリット!

当記事でお勧めするのは菜食を取り入れた断食(以下ベジタリアン断食)です。
冒頭でも述べた通り、断食には大きく分けて、健康面のメリットと、地球環境にとってのメリットがあります。

ちなみに菜食(ベジタリアン)=断食ではありません。
断食というと食べないことに意味があると思われる方も多いですが、本当に大事なのは、回復食(断食後の食事)です。
回復食に菜食を取り入れる(これをベジタリアン断食という)ことには多くのメリットがあります。
しかし、断食の全てが健康や地球環境に良いわけではありませんので、その辺りもご留意して読み進めて頂ければ幸いです。

健康になる

ベジタリアン断食には、健康になる理由がいくつかあります。
まず、ベジタリアン断食では動物性の食品を制限するため、食事の主な構成は植物性食品です。
食事中の飽和脂肪酸やコレステロールの摂取が減り、これにより期待される効果が、心臓病や高血圧のリスクの低下です。

また、ベジタリアン断食では断食の期間中に断食効果が現れます。
断食効果には、細胞修復や代謝改善、インスリン感受性の向上などが含まれ、これにより、体脂肪の燃焼が促進され、体重管理やインスリン抵抗性の改善に役立ちます。

さらに、ベジタリアン断食は消化器官に休息を与え、それにより期待できる効果が、腸の休息と回復の促進です。
これにより、消化器系の健康が改善され、消化不良や腸内環境のバランスが整いやすくなります。

ただし、ベジタリアン断食を実践する場合は、十分な栄養摂取と適切な食事のバランスを確保することが重要です。
適切なプラントベースの食品の選択と、必要な栄養素の補給を考慮しながら、個別の栄養ニーズに合わせた計画を立てることが望ましいです。

後述しますが、断食で大切なのは食を断つことだけではありません。
断食前後の食事の内容や摂り方なども重要になります。

まとめると、ベジタリアン断食は動物性食品の制限と断食効果により、心臓病や体重管理、消化器官の健康に良い影響を与える可能性があります。
ただし、断食前後のバランスの取れた食事と栄養摂取に留意することが重要です。

地球環境にも優しい

ベジタリアン断食が環境に良い理由としてはまず、ベジタリアン断食は温室効果ガスの排出削減に寄与します。
動物性食品の生産は、牧畜業によるメタンガスの排出や飼料の生産に伴う二酸化炭素の排出など、大量の温室効果ガスを生み出します。
これは、現在抱えている大きな問題の一つです。
ベジタリアン断食では動物性食品の摂取が制限されるため、これらの排出量を削減することができます。

さらに、ベジタリアン断食は水資源の節約にも貢献します。
動物性食品の生産には、給水や飼料の栽培に多くの水が必要です。
ベジタリアン断食では植物性食品が中心であり、植物の栽培には水資源の使用量が比較的少なくて済むため、水の節約につながります。

また、ベジタリアン断食は食物生産の効率化にも役立ちます。
植物性食品の生産は、動物性食品の生産に比べてより効率的です。
植物は直接食物として利用できるため、飼料の生産や動物の成長までの時間やエネルギーを必要としません。
ベジタリアン断食によって、より効率的に食物を生産できる可能性があります。
そして、断食によって全体の食事量が減ることで、総合的に地球環境にとっても良い効果が期待できます。

まとめると、ベジタリアン断食は温室効果ガスの排出削減、水資源の節約、食物生産の効率化につながり、また、総合的な食事量が減ることです。
それにより、環境に良い影響をもたらすことができます。個人の食事選択が地球環境に与える影響を考慮し、持続可能な食生活を実践することが重要です。

一言に断食と言っても種類は色々!

ファスティング

一言に断食と言っても種類は色々です。
その中からいくつかピックアップして紹介させて頂きます。

1日断食

1日断食とは文字通り24時間の間、一切の食事摂取を行わない断食の方法です。
通常は、断食を行う前の日の夜の食事を終えた後から、翌日の同じ時間までの24時間が断食期間です。

断食中は、水やハーブティーなどの非カロリー飲料の摂取は許可されていますが、食物やカロリーを摂ることは避けます。
断食期間中は体内の糖分が使い果たされ、その後は脂肪をエネルギー源として利用することで体重管理や脂肪燃焼が促進されます。

1日断食は、1日のうちの一部の時間だけを断食する方法と比べると、断食期間が長いです。
それにより効果的な体重管理や代謝改善が期待されます。
ただし、1日断食は長時間の断食を行うため、個人の健康状態や身体的な制約を考慮し、医師や専門家と相談しながら実施することが重要です。

本断食

本断食とは、長期間にわたって食事を断つ断食です。
いわゆる本格的な断食が、この本断食になります。
通常、3日以上の期間、あるいは数週間から数か月にわたって断食を行うことが特徴です。

本断食は、体内の自己修復能力を活性化させると言われています。
断食中は体内のエネルギー源として貯蔵された糖や脂肪が使われ、代謝が変化し、体内の老廃物や炎症を排除するプロセスが進むとされ、また、断食を通じて自己制御や精神的なクリアネスの向上、食欲や食習慣の見直しを図ることも目的とされています。

本断食は身体的な効果が期待される一方で、適切な準備や監督の下で行わなければ健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
断食前の適切な摂取や断食中の水分補給、適度な休息やストレス管理が重要で、また、1日断食同様、本断食はより、専門家の指導のもとで行うべきであり、特に健康問題を抱えている場合は医師と相談することが重要です。

インターミッテントファスティング(断続的断食)

インターミッテントファスティング(Intermittent Fasting)は、断食と摂食を交互に繰り返す食事パターンの一つで、一定の時間帯を断食し、その後に摂食期間を設けることで食事制限を行います。

インターミッテントファスティングの種類

インターミッテントファスティングにはいくつかの種類があります。
代表的なものをいくつか紹介させて頂きます。

16時間断食

24時間を16時間の断食期間と8時間の摂食期間に分ける方法です。
例えば、夜の8時から翌日の正午までの16時間を断食し、その後の8時間の間に通常の食事を摂取します。
このような断食と摂食を繰り返すことで、食事の摂取量を制限し、特定の時間帯に食事を集中させることが特徴です。

5:2ダイエット

5:2ダイエットは、週に2日間を断食日とし、残りの5日間は通常の食事を摂る食事法です。
通常の食事日では普通に食事を摂り、断食日ではカロリー制限を行います。

具体的な方法は、週のうち2日(連続する日または非連続の日)を選び、その日に1日の摂取カロリーを制限します。
通常は500〜600カロリーの範囲で制限されますが、個人の体格や健康状態によって異なる場合もあり、残りの5日間は通常の食事を摂取し、カロリー制限は行いません。

1日置きファスティング

1日置きファスティングは、1日断食を行った後に次の日に通常の食事を摂る、断食と食事の日を交互に繰り返す食事法です。
具体的な方法は、断食日には食事を摂らずに過ごし、水や非カロリーの飲み物を摂取します。
次の日には通常の食事を摂ることができますが、バランスの取れた栄養摂取に注意しながら食事を行います。

おすすめはまずは16時間断食から

ヨガ

いくつかの断食方法をご紹介しましたが、断食は基本的に継続することが大切です。
継続のしやすさの観点などからも、私が最もおすすめする断食法は、16時間断食です。

私も、最初の5年ほどは1日断食と5:2ダイエット中心に行っていましたが、今は無理なく続けられる16時間断食に落ち着いています。

やり方は上記で紹介した通りですが、私の場合、厳密なやり方ではありません。
通常16時間断食は16時間の間、水かハーブティーなどの非カロリー飲料以外は摂らないとされていますが、下記の記事で紹介したように、運動後30分は栄養補給のゴールデンタイムになります。

私は20時に夕飯を食べ終えるので、16時間断食に当てはめるなら、翌日の正午までは何も食べないのが基本です。
しかし、私の場合、午前4時〜6時の間にジョギングをしているので、このジョギング後に、スペシャルドリンクを摂ってしまいます。

どちらを取るか?になりますが、私は超回復重視です。
そのため、運動後30分以内のドリンクだけは摂るようにしていますが、この辺りはある程度の緩さも必要かもしれません。

断食する上での注意点

断食において気をつけて頂きたいのが、どの断食にも言えることですが、断食後は動物性食品の摂取を控えて下さい。

断食中、胃や腸の働きが鈍くなり、酵素や消化液の分泌も減少しています。
そのため、突然動物性の食品を摂ると、消化不良や腹痛、下痢などの消化トラブルを引き起こす可能性があります。

さらに、断食によって腸内細菌のバランスが変化し、善玉菌が減少し悪玉菌が増加することがあります。
動物性の食品は消化が難しく、それによって懸念されるリスクが、腸内細菌によって分解される際に有害な物質や毒素が生成されることです。
これらの物質が、腸壁に吸収されることで健康への悪影響を及ぼす可能性があります。

断食後の動物性食品の摂取は、断食効果が低減するだけでなく、健康への悪影響を及ぼす可能性があるので、十分な注意が必要です。
その理由もあって、菜食を取り入れたベジタリアン断食をお勧めしています。

まとめ

いくつかある断食法の中から、1日断食、本断食、インターミッテントファスティング(断続的断食)をご紹介させて頂きました。
そして、特にインターミッテントファスティングの中から16時間断食をおすすめさせて頂きました。

ベジタリアン断食は、正しく行うことで健康面は勿論、地球環境の保護にも繋がります。
また、継続することが大切ですので、継続しやすい方法を選ぶことも重要です。
1日断食や本断食になると、本格的になるため、素人が安易に行うことは危険も伴いますが、16時間断食であれば、多くの方が無理なく行うことができます。

まずは、ご自身の体と相談しながら、また、必要によっては、医師や専門家に相談の上、ご自身に合った方法で取り入れてみて頂ければと思います。
当記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。