COLUMN

2024.04.28

COLUMNフレキシタリアンについて/ライフスタイルベジタリアンについて/ライフスタイル今年のトレンド/ライフスタイル現代食生活について/ライフスタイル環境について考えてみよう/環境/食糧/畜産/SDGs

【管理栄養士が解説】腸活におすすめの食材とは?食べ合わせの具体例も紹介

健康を意識して過ごすためには、普段から腸によい食材を摂り入れて腸内環境を整えることが大切です。
とはいえ、腸活によい食材が多すぎてどれを選んだらよいのかお悩みの方もいるでしょう。

そこで今回は、管理栄養士の下田さんに腸活におすすめの食材と組み合わせのポイントについて解説していただきます。
下田さんのプロフィールについては下記の記事をご覧ください。

普段の食事に摂り入れやすい食材ばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

そもそも腸活とは?

腸活とは食事や運動などの生活習慣を整えることで、腸内環境のバランスを整えることです。
私たちの腸内には約1~2kgの腸内細菌が棲息しているといわれています。

具体的には有用菌の善玉菌と有害菌の悪玉菌、どちらにもなり得る日和見菌から成り立っており、腸内で善玉菌が優勢であれば日和見菌は善玉菌に加勢し、悪玉菌が多ければ悪玉菌の味方になります。
上述した3つの腸内細菌の働きは以下の通りです。

・善玉菌(酪酸菌、ビフィズス菌、乳酸菌など):酪酸や乳酸、酢酸などを作り、腸内を酸性に保つことで悪玉菌の増殖を防ぐ。
・悪玉菌(ウェルシュ菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌など):発がん物質や毒素を作り出す。腸内の腐敗を引き起こす。
・日和見菌(バクテロイデス属細菌、大腸菌、レンサ球菌など):善玉菌若しくは悪玉菌のうち、優勢の方の菌と同様の働きをする。

一般的に腸内細菌の理想的な割合は、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7といわれています。
悪玉菌が増加すると肌荒れなどの肌トラブルや便秘、下痢などを引き起こしやすくなるため注意しましょう。

ただし、すべての善玉菌がよい働きをするとも限りません。反対に悪玉菌や日和見菌のなかにも、腸にとってよい菌が存在することもあると報告されています。
つまり、さまざまな腸内細菌が共存することで、私たちの健康が維持されているのです。

腸内細菌の働きには個人差があるため、腸内細菌のバランスを整えると共に細菌の多様性も意識していきましょう。

出典:「腸内細菌と健康」(厚生労働省)

腸活におすすめの食材と選ぶときの3つのポイント

ヨーグルト

腸内細菌の多様性を維持するには、善玉菌を含む食品や善玉菌のエサとなる食品の摂取が必要です。
腸内で棲息する細菌にはそれぞれ役割があり、その時々の腸の状況に応じて活躍しています。しかし、肉食中心の食事ばかりしていると、肉以外に対応できる細菌が減少するおそれがあります。
対応できる細菌が少なくなる分、腸内環境にも悪影響をおよぼしかねません。

そのため腸によい食べ物を選んだり、食事のバランスを整えたりすることが大切です。善玉菌を増やすための3つの方法は以下の通りです。

  • 善玉菌を含むプロバイオティクスを摂る。
  • 善玉菌のエサになるプレバイオティクスで菌を育てる。
  • ①と②を組み合わせたシンバイオティクスを心がける。

上記の内容を意識すると、腸内環境を整えやすくなります。
次の項でそれぞれの特徴やおすすめの食材を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

腸活におすすめの食材【プロバイオティクス】

プロバイオティクスとは、ビフィズス菌や乳酸菌など腸でよい働きをする有用菌のことです。
善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)を含む食べ物を摂取することで、腸内の善玉菌の数を増やします。

ただし、これらの菌は腸内に長期間留まることができません。食事から毎日こまめに摂取することが大切です。
善玉菌は生きて腸まで届けることが理想ですが、胃酸によって死滅してしまう菌もあります。

とはいえ、途中で死滅しても善玉菌のエサになり、腸内環境の維持に役立っているため、普段からプロバイオティクスを積極的に摂り入れましょう。

【おすすめの食材一覧】
・ヨーグルト
・乳酸菌飲料
・チーズ
・納豆
・漬物
・キムチ
・味噌
・醤油
・酒粕 など
※ヨーグルトや乳酸菌飲料はビフィズス菌入りのものがおすすめです。

腸活におすすめの食材【プレバイオティクス】

プレバイオティクスとは、腸内に棲息する善玉菌のエサとなる食品のことです。オリゴ糖や食物繊維を含む野菜類や果物類、豆類などが挙げられます。

ただし、オリゴ糖の過剰摂取は逆効果になるため、一度に摂り過ぎないことが大切です。オリゴ糖を摂取するときは、1日あたり約2~10gを目安に摂り入れましょう。
また、食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維にわかれています。
水溶性食物繊維は水に溶けやすい性質があり、便をやわらかくしたり善玉菌のエサになったりします。

一方、不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して便のカサを増す働きがあるのが特徴です。
さらに、腸のぜん動運動をサポートする働きもあり、水溶性食物繊維とともに腸内環境を整える働きがあります。

【オリゴ糖を含むおすすめの食材一覧】
・大豆
・玉ねぎ
・ごぼう
・ねぎ
・にんにく
・アスパラガス
・バナナ
・りんご など

【水溶性食物繊維を含むおすすめの食材一覧】
・オートミール
・押し麦
・大根
・人参
・かぼちゃ
・ブロッコリー
・ほうれん草
・しいたけ
・さといも
・わかめ
・いちご
・キウイフルーツ など

【不溶性食物繊維を含むおすすめ食材一覧】
・オートミール
・玄米
・ごぼう
・切り干し大根
・レンコン
・さつまいも
・たけのこ
・大豆
・バナナ など

出典:
「プレバイオティクス」(腸内細菌学雑誌)
「腸内細菌と健康」(厚生労働省)
「食物繊維の働きと1日の摂取量」(公益財団法人 長寿科学振興財団)

腸活におすすめ!食べ合わせの具体例【シンバイオティクス】

シンバイオティクスとは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて摂る方法です。これらを同時に摂ることで、腸活にとってよりよい効果が期待できます。
身近な食材の組み合わせでできるので、無理なく続けられるのがポイントです。
ここでは普段の食生活で摂り入れやすいシンバイオティクスについて紹介します。

①  納豆+キムチ

調理の手間がかからない発酵食品同士の組み合わせです。納豆にキムチを加えるだけで、簡単に腸がよろこぶ食べ物に変わります。
時間がない朝でもすぐに準備できるので、ご飯のおともに最適です。

納豆に含まれるナットウキナーゼは熱に弱い性質があるので、なるべく加熱せずに食べましょう。
また、食べる時間を調整できる方は、夕食に摂取するのがおすすめです。

納豆にはアルギニンという成分が含まれていて、就寝中に分泌される成長ホルモンを促進する働きがあります。
脂肪の代謝を促したり、筋肉を強くしたりする働きがあるため、効率よく摂取したい方は食べる時間も意識してみるとよいでしょう。

②  味噌+きのこ

食物繊維が豊富なきのこをたっぷり使った味噌汁もおすすめです。

オリゴ糖を含む玉ねぎやごぼう、水溶性食物繊維のわかめなどを追加するなど、バリエーションを増やすと飽きずに食べられます。
ごぼうやれんこんなどの食べ応えのある食材で作れば、少量でも満足度がアップして食べ過ぎ防止につながります。

野菜がしっかり摂れるうえにカロリーも抑えられるので、ボディメイク中の方にもぴったりです。

③  ヨーグルト+バナナ

無糖のヨーグルトにスライスしたバナナを添えた簡単レシピです。

きなこを加えると、食物繊維も効率よく摂取できます。甘みが欲しいときは、白砂糖ではなくはちみつを加えましょう。
はちみつにはオリゴ糖が含まれているため、ヨーグルトに添えると腸によい働きが期待できます。

バナナが苦手な方は、程よい酸味がアクセントになるいちごに変えてみるのもおすすめです。

腸活におすすめの食材は環境にもやさしい

環境

肉類の食べ過ぎは悪玉菌の増殖につながり、その結果、腸の中で善玉菌が増えにくい環境になってしまいます。
そのため、腸内環境を整える食事を意識することが大切です。

腸活を意識すると、自然と大豆や野菜、果物などの食品を多く摂り入れるようになるため、環境にも好影響を及ぼすことが期待できます。

肉の大量消費は、温室効果ガスの増加につながりやすく地球温暖化の要因になりかねません。
牛や豚などの家畜のゲップにはメタンが含まれていて、二酸化炭素の25倍もの温室効果があるといわれているからです。

また、家畜を育てたり、エサを作ったりするために土地を用意する必要があります。十分な土地を確保するには森林伐採が必要となることもあるでしょう。
樹木は温室効果ガスのひとつである二酸化炭素を吸収する役割があるため、今ある自然を残す努力をすることが地球温暖化対策につながります。

肉の消費を一度に減らすことは難しいかもしれませんが、一人ひとりが意識することで環境への負荷を減らすことはできるのかもしれません。
また、腸活によい食品を摂り入れることで、動物保護の観点からも貢献できるといえるでしょう。

出典:「牛のげっぷと地球温暖化」(国立研究開発法人)

まとめ

腸内環境を整えるためには、普段の食事を見直すことが大切です。
善玉菌を含むプロバイオティクスや善玉菌のエサになるプレバイオティクスを普段の食事に摂り入れましょう。
これらの食品を組み合わせることで、さらに腸活によい効果が期待できます。

とはいえ、腸活によい食材の取り過ぎは身体にとって悪影響をおよぼしかねません。
バランスのよい食事を基本として、本記事で紹介した食材を意識して摂り入れてみてくださいね。

【参考記事】
https://www.jintan.co.jp/special/flora
https://bio-three.jp/contents/cont04.html
https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/chonaiflora/adjust
https://www.morinagamilk.co.jp/learn_enjoy/b-kin-training/lesson/1.php
https://bio-three.jp/contents/lacticacidbacteria-effect.html
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04046_7&MODE=3