厳しい食事制限やハードな運動は短期間で痩せられる反面、体調を崩してしまったり、継続するのが難しかったりするなどのデメリットがあります。
つらい思いをしてもなかなか結果がでないと、途中で挫折したくなる方もいるでしょう。
そんな方におすすめなのが、パレオダイエットです。
パレオダイエットは習慣化しやすいため、海外でも人気のダイエット法です。
無理のない範囲で食生活や運動を見直して痩せやすい体質を目指します。今回は、パレオダイエットのやり方とおすすめのメニューを管理栄養士の下田さんにご紹介いただきます。
管理栄養士の下田さんについては下記のプロフィールをご覧ください。
海外で人気のパレオダイエットとは
パレオダイエットとは、健康的な生活を送っていた旧石器時代の狩猟採集型の食生活を参考にした食事法のことです。
パレオ=パレオリシック(Paleolithic)の略で旧石器時代を表す言葉であることから、パレオダイエットと呼ばれるようになりました。
このダイエット法は1970年代に考案されたもので、無理な運動や食事制限を必要としません。食べ物を選ぶときは、良質なたんぱく質、少量の炭水化物、脂質をバランス良く摂り、加工食品や精製された調味料を避けるようにします。
また、パレオダイエットでは、基本的な生活(食事、運動、睡眠)を改善して、健康的な生活を意識するのもポイントです。
現代は飽食の時代で何でも手に入る分、気をつけないと食べ過ぎてしまったり、太りやすい食材を選択しやすかったりします。
また、デスクワーク中心で運動不足気味の方や、忙しさから十分な睡眠時間が取れない方もいるでしょう。
そのため、昔の人の生活スタイルをマネすることは、痩せやすい体質づくりに役立ちます。
パレオダイエットで健康的に痩せ体質が目指せる理由
![ダイエット](https://ethical-food.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/09/画像3.jpg)
パレオダイエットを実践すると効率良く痩せやすくなります。
ここからは、パレオダイエットで痩せ体質が目指せる理由について解説します。
糖質控えめの食事で痩せやすくなる
パレオダイエットはパンやご飯などの糖質を控えるため、糖質をコントロールしやすい食事法です。
糖質を摂り過ぎると血糖値が上がりやすくなり、余分な脂肪をため込むようになるため注意が必要です。
普段から主食量の多い方がパレオダイエットを実践すると、効率良く糖質を控えることができて、全体的なカロリーも減りやすくなります。
ただし、もともと炭水化物の摂取量が少ない方には、あまり効果が期待できないかもしれません。
空腹感がつらくなりにくい
パレオダイエットは、ご飯やパンなどの炭水化物を減らして肉や魚などのたんぱく質を積極的に摂取するダイエット法です。
肉や魚などのたんぱく質は腹持ちが良く、満腹感を得やすいのが特徴です。
肉などには脂肪が含まれているため、消化に時間がかかり、ご飯などを食べるよりも満腹感が持続しやすくなります。
ダイエット中の空腹感がつらい方でも、食べられないストレスを軽減しながら無理なく取り組むことが可能です。
腸内環境が整いやすい
野菜や果物を積極的に摂取するため、食物繊維を効率良く摂取できるのもメリットのひとつです。食物繊維は2種類あり、それぞれ以下のような働きがあります。
・水溶性食物繊維(大根、キウイ、わかめなど):腸内細菌のエサになり善玉菌を増やす
・不溶性食物繊維(切り干し大根、モロヘイヤ、かぼちゃなど):腸のぜん動運動を促す、便のカサを増やす働きがある
また、きゃべつや玉ねぎ、ごぼう、りんご、バナナなどにはオリゴ糖が含まれているため、ビフィズス菌など大腸の善玉菌のエサになります。
食生活を見直して腸内環境が整うと、老廃物や有害物質をスムーズに排せつできるようになり、肌にも良い影響を与えます。
体に優しい食生活にシフトできる
食品添加物を摂り過ぎると、健康を害する恐れがあるため注意が必要です。
パレオダイエットでは加工食品を避けながら食べ物を選ぶため、自然と加工食品を食べる頻度が減っていきます。
また、パレオダイエットを実践すると、食品の選び方にも変化がみられるかもしれません。
例えば、オーガニック食品や塩の種類にこだわるなど、楽しみながら実践する方もいます。
食品の選び方が変わると、塩分や脂肪が多い加工食品の摂取量が抑えられるようになり、体を労りながら健康的に過ごせるようになります。
管理栄養士が解説!パレオダイエットのやり方
![ダイエット食](https://ethical-food.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/09/flat-lay-2583212_640.jpg)
パレオダイエットの基本は、自然に近い食べ物を取り入れることです。
良質なたんぱく質、少量の炭水化物、脂質をバランス良く摂りましょう。ただし、加工食品や精製された調味料は避ける必要があります。
パレオダイエットのやり方について詳しくみていきましょう。
積極的に摂取する食べ物
食べ物を選ぶときは、化学肥料や農薬などを使わずに育てた自然に近いものを取り入れるようにしましょう。積極的に摂取する食べ物は以下のとおりです。
・肉類
・魚類
・野菜
・果物
・卵類
・ナッツ類
食べ過ぎ注意!控えたい食べ物
パレオダイエットで控えたい食べ物は以下のとおりです。
・加工食品(ハム、ベーコンなど)
・小麦
・乳製品
・砂糖
管理栄養士直伝!パレオダイエットの食事例
上述した「積極的に摂取する食べ物」をもとにした献立例をご紹介します。
【朝食】
少量のごはん、鮭の塩焼き、ほうれん草の和え物、具だくさんみそ汁
【昼食】
少量のごはん、豚肉とアスパラの炒めもの、蒸し野菜(人参、さつまいも、ブロッコリーなど)
【間食】
ミックスナッツ、りんご、キウイフルーツなど
【夕食】
少量のごはん、レンコンのはさみ焼き、トマトとわかめのサラダ、卵スープ
【調理のポイント】
・シンプルな調理法にする(蒸す、焼く、煮るなど)
・調味料を控えて、スパイスやハーブなどを活用する
・パンには小麦や砂糖が使われているため、少量のお米で対応する
・油を使うときは、オリーブオイルやココナツオイルがおすすめ
食事の準備が大変なときはコンビニを活用してもOK
![サラダ](https://ethical-food.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/08/salad-1672505_640.jpg)
パレオダイエットを実践しようと思っても、忙しくて料理が作れない日もあるでしょう。
ダイエットは継続することが重要なので、できることから始めることが大切です。
自炊が難しい場合は、コンビニで食材を購入しても問題ありません。
購入するときは、パッケージの栄養成分表示を確認しながら、添加物が含まれていないものを選びましょう。
旧石器時代において添加物は存在しないものであり、避ける必要があります。
例えば、鮭の塩焼きやサバの塩焼き、ゆで卵、サラダ、ミックスナッツ、冷凍フルーツなどがあります。
サラダを購入したときは、ドレッシングが別添えになっているものを選びましょう。
ドレッシングには添加物が入っているものが多いので、手作りするのがおすすめです。
手作りのドレッシングは、オリーブオイル+酢+塩を混ぜるだけで簡単に作れます。
ただし、コンビニの食品のなかには添加物が含まれているものもあるため、気になる方は時間があるときに何品かつくり置きしておき、適宜食べるようにすると良いでしょう。
パレオダイエットの注意点
パレオダイエットは、無理のない範囲で行うことが大切です。極端な食事制限は健康を損ねる恐れがあるため、おすすめしません。
リバウンドの原因にもなりかねないため気をつけましょう。
ただし、パレオダイエットは穀類の摂取不足を招きやすく、エネルギー不足になりやすいため注意が必要です。
穀類が不足すると、疲れやすくなったり、集中力が低下したりする可能性があります。
筋肉量の減少も懸念されるため、基礎代謝が低下して痩せにくくなってしまいます。
また、乳製品の摂取量も減るため、カルシウム不足になりやすいのもデメリットといえるでしょう。
消化が悪い食べ物もあるので、胃腸が弱い方やおなかの調子が優れないときは避けた方が無難です。無理をせず、栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。
まとめ
パレオダイエットは、旧石器時代の食生活を再現した食事法です。
良質なたんぱく質、少量の炭水化物、脂質をバランス良く摂り、加工食品や精製された調味料を避けるようにします。
ただし、パレオダイエットは穀類の摂取量が低下しやすく、エネルギー不足や筋肉量の低下が懸念されます。
また、乳製品の摂取量も減るため、カルシウム不足にも注意しなければなりません。
ストイックになりすぎるとストレスをため込みやすくなるため、挫折しそうになったら「積極的に摂取する食べ物」を取り入れながら、添加物を避けるようにしていきましょう。
とはいえ、旧石器時代になかった食べ物でも、体を作る上で欠かせない栄養素が含まれているものや体に合っている食材もあります。
神経質になりすぎずに体調の変化を確認しながら調整するようにしてみてください。
できる範囲で無理をせず、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
エシカルフードのプラントベースフード
私たち、エシカルフード株式会社は「食生活が、地球環境を守る」をテーマに、肉食を控える食生活~Meatless Diet(ミートレスダイエット)~という、新しいライフスタイル・価値観を提唱するために、2021年6月に発足しました。
地球にも、身体にも、動物にも優しいプラントベースドフード」の企画開発・販売と“Meatless Diet”のための有益な情報発信を通じて、あなたの健康と地球環境を守りたいと考えています。
エシカルフードの商品ページはこちらから
https://ethical-food.co.jp/products/
【出典】
「食と健康」に係わる先進事例調査結果海外事例(厚生労働省)https://www.maff.go.jp/j/budget/yosan_kansi/sikkou/tokutei_keihi/R1itaku/R1ippan/attach/pdf/index-146.pdf