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2024.11.20

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子どものアレルギーの原因|小麦アレルギーとグルテンフリーの違いは?管理栄養士が徹底解説

近年、食生活の欧米化や環境要因などにより、アレルギーを発症する子どもが増えています。
例えば、特定の食べ物を食べたあとに、顔や体に赤いポツポツが出てきたり、喉がイガイガしたり、咳がでるなどの場合は、食物アレルギーが疑われます。

身近な食べ物でもアレルギーを引き起こすおそれがあるため、気になる方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、子どものアレルギーの原因について管理栄養士の下田さんに徹底解説していただきます。
管理栄養士の下田さんについては下記のプロフィールをご覧ください。

子どもに多い食物アレルギーとは?

ハウスダストや花粉症などさまざまなアレルギーがありますが、近年、食物アレルギーが増加傾向にあります。

通常、体には異物を攻撃する免疫システムが備わっています。
しかし、食物アレルギーの方は、特定の食品の成分を異物と勘違いして、過剰な免疫反応を起こしてしまうのです。
この反応により、かゆみや赤いポツポツ、呼吸が苦しくなるなどの症状が引き起こされます。
重症の場合、アナフィラキシーショックと呼ばれる命に関わる状態になることもあるため、注意が必要です。

食物アレルギーの原因

アレルゲン

消費者庁より報告された「令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」によると、食物アレルギーの原因として一番多いものは、鶏卵で33.4%でした。次に多かったのが牛乳18.6%、木の実類13.5%、小麦8.8%と続いています。

近年、くるみやカシューナッツなどの木の実類によるアレルギーが増加傾向にあります。
また、各年齢によっても原因物質は以下の通り変わります。

◆0歳:鶏卵(60.6%)、牛乳(24.8%)、小麦(10.8%)
◆1-2歳:鶏卵(36.3%)、牛乳(17.6%)、木の実類(15.4%)、魚卵(8.2%)、落花生(6.6%)、小麦(5.8%)
◆3-6歳:木の実類(27.8%)、牛乳(16.0%)、鶏卵(14.7%)、落花生(12.0%)、魚卵(10.3%)、小麦(6.7%)
◆7-17歳:牛乳(16.9%)、木の実類(16.8%)、鶏卵(14.5%)、甲殻類(10.2%)、落花生(9.1%)、果実類(7.8%)、小麦(7.6%)
◆18歳以上:小麦(22.5%)、甲殻類(16.9%)、果実類(9.8%)、魚類(7.7%)、木の実類(5.9%)、牛乳(5.0%)

この結果から、0歳は3種類の原因食物なのに対し、1-2歳以降になると木の実や魚卵などが追加され、食物アレルギーを引き起こしやすい食べ物が増えることがわかります。

出典:「令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」(消費者庁)

小麦アレルギーとグルテンフリーの関係

同じような意味で捉えがちな小麦アレルギーとグルテンフリーですが、密接な関係があるものの完全に同じものではありません。それぞれの特徴は下記の通りです。

小麦アレルギーとは

小麦アレルギーは、小麦に含まれる特定のたんぱく質に体が過剰に反応してしまうアレルギーのことです。
麦のタンパク質には、水に溶けるもの(グリアジン、グルテニン)と溶けないもの(アルブミン、グロブリン)があり、人によって反応するタンパク質の種類が異なります。

よく「グルテンフリーだから、小麦アレルギーでも食べられる」といわれることがありますが、必ずしも正しいとはいえません。
グルテンは小麦のタンパク質の一部であり、小麦アレルギーの原因となるタンパク質はグルテン以外にも存在するからです。

また、すべての方に反応がでるわけではありませんが、大麦やライ麦なども小麦と似たタンパク質を含んでいるため、アレルギー反応を起こす可能性があります。

ただし、麦茶は大麦から作られていますが、タンパク質の量はごくわずかであり、アレルギーを起こすことは稀です。

一方、米や雑穀(ひえ、あわ、きびなど)は、小麦と異なる種類の穀物であり、通常は問題なく食べられます。

醤油は、小麦を減量とするものもありますが、製造過程でアレルギーの原因となるタンパク質が分解されるため、基本的には問題ないとされています。

ただし、小麦アレルギーは軽い症状のものから重度のアナフィラキシーショックまで個人差があるため、食品を選ぶ際は慎重に行いましょう。

グルテンフリーとは

グルテンフリーとは、主に小麦、大麦、ライ麦に含まれるグルテンというたんぱく質を避ける食事法です。グルテンには食品に粘弾性をもたせる役割があり、パンやピザなどに使用されています。
この食事法は、もともとセリアック病の方のために開発されました。

グルテンを避けることで身体の調子を整えることを目的としています。
グルテンを含む食品は高カロリーなものが多いですが、グルテンフリーにすることでカロリーコントロールしやすくなり、体重管理に役立つことがあります。
また、グルテンが原因で肌トラブルを起こしている場合にも、効果を期待できるかもしれません。

グルテンフリー食品は、食物繊維が豊富なものが多いので、健康維持につながるでしょう。
グルテンフリー食品を取り入れるときは、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。

出典:「I.セリアック病」(日本大腸肛門病学会雑誌)

小麦アレルギーの方は要注意

小麦アレルギーの方がグルテンフリー食品を選ぶ際、食品表示をしっかりと確認することが重要です。
例えば、米粉パンの中には、小麦アレルゲンであるグルテンを使用している場合があるからです。

また、グルテンフリー食品を選ぶことで小麦を避けることはできますが、欧米のグルテンフリー表示は、セリアック病の方などを対象とした基準であり、日本のアレルギー表示とは基準が異なります。
そのため、重度の小麦アレルギーの方にとっては、必ずしも安全とは限りません。

一方で、農林水産省が認証する「ノングルテン」表示は、グルテン含有量1ppm未満という厳格な基準に基づいており、一般的に小麦アレルギーの方でも安心して食べられる可能性があります。
ただし、念のため医師に相談してから使用を検討することをおすすめします。

出典:「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」
出典:「組織におけるグルテンフリー表示に係る調査報告書」(農林水産省)
出典:「~グルテンフリー・食物アレルギーにも安心 米粉の魅力~」(農林水産省)

まとめ

小麦粉のパン

近年、子どもの食物アレルギーが増加傾向にあります。
特に卵、牛乳、小麦は食物アレルギーを起こしやすい三大アレルゲンとして知られています。

小麦アレルギーに関しては、グルテンフリーと混同されがちですが、完全に同じものではありません。
グルテンフリー食品を選ぶ際は、醤油など見落としがちな原材料に小麦が使用されている場合があるので食品表示をしっかりと確認しましょう。

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