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2023.06.05

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【6月5日は世界環境デー】私たちが食卓からできる簡単な取り組み5選

みなさんは【世界環境デー】という言葉を聞いたことがありますか?今、人類はかつてないスピードで進化を続けています。

科学の進歩は凄まじく、ここ数十年の間で私たちの生活は、大変便利になりました。 しかし、それに比例して深刻になっているのが、環境問題です。
今回はベジタリアンアスリートの池野さんに、今世界全体が抱えている環境問題について、そして、私たちにできる対策や取り組みについて紹介して頂きます。

ライター池野さんのプロフィールは下記のページをご覧ください。

なぜ今、世界的に環境問題が騒がれているのか?

木の写真

環境問題が注目される理由は複数の要素が絡み合っていますが、それらを大きく分けると、次の4つになります。

まず、1つ目にあげられるのは気候変動の深刻化です。諸説ありますが、今地球全体で温暖化が進んでいます。

そして、2つ目は生物多様性の減少です。人間による森林破壊などにより、生物の生息地の減少が進み、絶滅種が増加しています。

3つ目としてあげられるのが、環境汚染の悪化です。今世界中で大気や水質、土壌汚染の深刻化が進んでいます。

そして最後4つ目は、インターネットの普及により、情報伝達のスピードが上がり、それによって人々の意識関心が高まったことなどがあげられます。こうしたことから、個人や企業が積極的な行動を起こすよう、求められるようになりました。

現在は、国際的な取り組みも進んでおり、パリ協定やSDGsなどの枠組みが策定され、各国が具体的な政策や規制を導入しています。また、地球規模の共通課題である環境問題には国境を越えた連携が必要であり、国際的な環境会議や協力プロジェクトが行われています。

環境問題は私たちが持続可能な未来を築くために行動を起こす必要があることを示しており、環境保護と持続可能な資源利用は不可欠な課題です。

世界環境デーとは?

成立

世界環境デーは、毎年6月5日に行われる国際的なイベントです。国連環境計画(UNEP)が主導し、環境問題への関心と意識を高めることを目的としています。1972年にストックホルムで開催された環境に関する国際会議の記念日として制定されました。

世界環境デーでは、地球上の環境問題に焦点を当て、持続可能な開発と環境保護の重要性を強調します。毎年テーマが設定され、様々なイベントやキャンペーンが行われ、国や地域、企業、市民社会などが参加し、環境問題に対する具体的な取り組みを促進します。

世界環境デーは、環境への取り組みを評価し、持続可能な社会の実現を目指すための機会です。イベントや啓発活動を通じて、環境問題に対する意識を高め、個人や組織が持続可能な行動を取るきっかけを提供しています。また、国際的な協力と共同努力が求められる環境問題に対して、共通の目標を共有し、取り組みを加速させる場です。

持続可能な社会は日々の私たちの暮らしの中から

料理をする二人

このように、世界中で意識が高まっている環境問題ですが、環境問題は国や政府だけがおこなうものではありません。国や政府、私たちが一丸となって、意識的に行なうべき問題です。ここからは、私たちが日々の暮らしの中から簡単にできる環境問題の取り組み方について、ご紹介させて頂きます。

一人ひとりの小さな行動が未来を大きく変える

集団

「一人の百歩よりも100人の一歩」という言葉をご存知でしょうか?集団の力や協力の重要性を表現した言葉で、誰かが何か大きなことをしなくても、一人ひとりが小さな一歩を踏み出すことで、集団全体が前進します。

それによって、集合的な成果へと繋がるといった考えです。

環境問題も同じで、一人ひとりが少しでも意識して、何か行動に移すことで、それはやがて地球全体への貢献に繋がります。

食卓からできる簡単な取り組み5選

サラダ

その第一歩としてお勧めするのが食卓からの取り組みです。ここでは、誰でも簡単に食卓からできる取り組みを5つご紹介させて頂きます。

1. プラスチックの削減

プラスチック

石油資源の消費、環境汚染、海洋生態系への影響、動植物への害、マイクロプラスチックの存在、廃棄物処理の課題など、プラスチックは環境と生態系に悪影響を及ぼすため、持続可能な未来のために削減が必要です。 小さなことですが、普段使い捨てされているものを、繰り返し使えるものに変えるだけでも環境負荷を減らすことができます。例えば使い捨てが当たり前とされているサランラップも、蜜蝋(みつろう)と布巾があれば簡単に繰り返し使えるエコラップを作ることができます。

2. ローカルフードの選択(地産地消を意識する)

果物を買う

昨今は健康面などの理由でも地産地消の食材が注目されていますが、地産地消は環境面においても、大きなメリットです。

地産地消には、輸送に伴う二酸化炭素排出の削減効果が期待できます。食品や商品を長距離輸送する必要性を減らすため、輸送に伴う二酸化炭素の排出量を削減できます。これにより、気候変動や環境への負荷を軽減します。

また、地産地消は、地元で栽培された食材を利用するため、水資源の節約につながり、長距離輸送による水の使用量や排水の問題を回避できます。

3. プラントベースの食事を心がける

大豆ミートバーガー

プラントベース(Plant-based)とは、主に植物由来の食品を中心とした食事スタイルを指します。プラントベースの食事が与える環境面のメリットは以下の通りです。

温室効果ガス削減:プラントベースの食事は、動物性製品の消費を減らし、牧畜業に伴う温室効果ガスの排出を削減します。植物ベースの食品は、肉や乳製品に比べて生産時の二酸化炭素排出量が低く、気候変動への貢献があります。

水資源の節約:肉や乳製品の生産には大量の水が必要です。プラントベースの食事ではその需要が減ります。穀物や野菜の生産には肉や乳製品に比べて少ない水で済むため、水資源の節約につながります。

森林保護と生物多様性の維持:プラントベースの食事は、大規模な牧畜業による森林伐採を抑制する重要な手段です。それによって森林保護と生物多様性の維持に貢献します。畜産業は飼料生産のために広大な土地を必要とし、それによって自然環境が損なわれることが懸念材料の一つです。

土壌保護と環境破壊の軽減:動物性製品の生産には大量の飼料や水が必要であり、それに伴って森林破壊や土壌の劣化が起こることがあります。一方、プラントベースの食事は土壌保護につながり、環境破壊のリスクを軽減します。

プラントベースの食事の大きなメリットは、温室効果ガス削減、水資源の節約、森林保護と生物多様性の維持、土壌保護と環境破壊の軽減などです。このような食事の選択は、地球環境の保護と持続可能な未来の構築に寄与する重要な手段になります。

4. 食品ロスの削減

生ごみ

食品ロスの発生量は、令和2年度のデータで522万トンです。ここ数年は企業の努力や国民一人ひとりの意識的な取り組みなどによって、この数字は減少傾向にあります。

しかしそれでも、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料支援量(2020年で年間約420万トン)の1.2倍量相当です。食品ロスを国民一人当たりに換算するとお茶碗約1杯分(約113g)の食べものが毎日捨てられていることになります。

では、どのようにしたら私たち一人ひとりが食品ロスの削減に取り組めるでしょうか?

食材の適切な量を計画する:食事のメニューを事前に計画し、必要な分量を把握しましょう。無駄なく必要な分量を調達することで、余剰の食材が出る可能性を減らすことができます。

食材の保存方法を工夫する:食材の適切な保存方法を知っておきましょう。冷蔵庫や冷凍庫での保存、野菜や果物の適切な保管方法を実践することで、食材の鮮度を保ち、廃棄することを防げます。

食品のラベルを確認する:食品の賞味期限や消費期限を確認しましょう。先に期限の迫った食品を使用することで、食品廃棄を防げます。

食品の再利用や再利用をする:余った食材を別の料理に活用することで、廃棄を減らせます。野菜の皮や根っこをスープやストックに利用したり、残り物を再利用して別の料理にリメイクするなどの工夫が有効です。

寄付やシェアを活用する:食品を余らせてしまった場合は、寄付先や近所の人々とシェアする方法を考えましょう。地域のフードバンクや食品リダクションプログラムに寄付することで、食品ロスの削減に貢献できます。

食品ロスに対する意識を高める:食品ロスの問題についての情報を学び、家族や友人と共有しましょう。食品ロスの削減に向けて意識を高めることで、行動の変化を促すことができます。

これらの方法を少しずつでも意識的に実践することで、食品ロスを減らすことができます。

5. エコフレンドリーな食材の選択

食材

エコフレンドリー(Eco-friendly)とは、「環境にやさしい」「持続可能な」という意味を持つ言葉です。エコフレンドリーな食材には、上記であげた、ローカルフードやプラントベースの食事も含まれます。

その他として、いくつか例を紹介させて頂きます。

野菜と果物:新鮮で有機的な野菜や果物は、環境にやさしい選択です。地元で生産された季節の野菜や果物を選ぶことで、輸送による二酸化炭素排出量を削減できます。

豆類:大豆、豆類、レンズ豆。また、これらから加工して作られた豆腐、テンペ、お麩などのなの植物性たんぱく源は、肉や乳製品など動物性タンパク源に比べて環境にやさしく、水や土地の使用量が少なく済みます。

穀物:玄米、オートミールなどの穀物は、エネルギー効率が高く、環境にやさしい食材です。持続可能な農法で栽培された穀物を選ぶことで、土地の破壊や水資源の浪費を軽減できます。

植物性のミルクやチーズ:乳製品の代替として、豆乳、アーモンドミルク、オーツミルクなどの植物性ミルクやチーズを選ぶことができます。これらは牛乳に比べて温室効果ガスの排出量が少なく、水資源の使用量も低いです。 これらの食材は、エコフレンドリーな選択肢です。地元での購入や有機認証を受けた食材の選択、適切な保存方法の実践など、環境に配慮した食事スタイルを取り入れることが重要になります。

まとめ

世界環境デーは毎年6月5日、1年に1度です。しかし、環境問題は毎日のことです。1秒たりとも先送りにすることのできない問題です。今、地球の環境は多くの問題を抱えています。しかし今、多くの人たちがそれに気づき、行動を始めています。

当記事では、プラスチックの削減、ローカルフードの選択、プラントベースの食事、食品ロスの削減など、食卓からできる簡単な取り組み方について紹介させて頂きました。

一人の百歩よりも百人の一歩です。当記事が少しでも、読者様の環境問題の取り組みにお役立て頂ければ幸いです。