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2024.03.06

COLUMNフレキシタリアンについて/ライフスタイルベジタリアンについて/ライフスタイル今年のトレンド/ライフスタイル新年企画/ライフスタイル現代食生活について/ライフスタイル環境について考えてみよう/環境/食糧/畜産/SDGs

海外セレブが注目しているゼロ・ウェイストとは?身近な環境問題への取り組み方

環境問題に関心のある海外セレブの間で、ゼロ・ウェイストが話題になっています。
海外セレブに限らず世界各国で注目されているゼロ・ウェイストですが、その背景には深刻なごみ問題が隠れているのをご存知ですか?

今回は、管理栄養士の下田さんにゼロ・ウェイストの意味や背景、日常生活で環境問題に対してどのように取り組めば良いのか解説していただきます。

ライター下田さんについては下記のプロフィールをご覧ください。

ゼロ・ウェイストとは

「ウェイスト(waste)」には、無駄・浪費の意味があります。つまり、ゼロ・ウェイストとは、無駄や浪費をなくしてごみを出さないことといえます。
ごみが出てから処理方法を考えるのではなく、最初からごみを出さないようにするためにはどうしたら良いかという考え方です。

1996年にオーストラリアの首都・キャンベラで、初めてゼロ・ウェイスト宣言が出されました。
この宣言以降、世界各国に環境問題を意識した活動の輪が広がっています。
例えば、カナダのトロントやアメリカのサンフランシスコなどが挙げられます。

オーストラリアやアメリカなどの海外が発端となったゼロ・ウェイスト宣言は、2000年代に入り海外だけでなく日本各地にも普及していきました。
日本では以下の都市でゼロ・ウェイストを推進しています。

・徳島県上勝町
・福島県大木町
・熊本県水俣市
・奈良県斑鳩町
・福岡県みやま市
今後ゼロ・ウェイストを推進する都市は増加していくことが予想されます。

ゼロ・ウェイストの4つの背景

ゼロ・ウェイストが注目されるようになった背景は主に4つです。まずは、ゼロ・ウェイストの背景について解説します。

ごみの廃棄問題

近年、ごみの廃棄問題が深刻化しています。その背景には経済の発展が関係しているといわれています。
特に、高度経済成長にともない所得が増えたことや家電の普及、スーパーやコンビニの進出など、消費行動の変化がみられるようになったことも要因といえるでしょう。
生活が豊かになるにつれて、大量生産・大量消費が増え、ごみの増加につながりました。

また、バブル期になるとさらに生産・消費が拡大し、廃棄物排出量も比例して増加していきました。
廃棄物が急速に増えると、ごみの処理が間に合いません。
未焼却の可燃ごみが直接埋め立て処理されざるを得ない状況です。

環境汚染を危惧した周辺住民の訴えにより、最終処分場を新しく建設することが断念され、最終処分場も不足しています。
ほかにも、不法投棄なども増え問題視されるようになりました。

プラスチックごみの増加

スーパーのビニール袋や発泡スチロール、ペットボトルなどは手軽に使えて便利です。
しかしルール通りにごみを捨てる方だけでなく、ポイ捨てする方もいるため問題視されています。
特にペットボトルの生産量は、約10年で約3倍に増えています。

ペットボトルの使用頻度が高くなると、ポイ捨てされたプラスチック製品は風に飛ばされたり、川に流されたりしながら最終的に海にたどり着くこともあるようです。
実際、2050年にはプラスチックごみが魚の数を上回ることが予測されています。

プラスチックごみが増えると生態系の変化や漁獲量の減少、人体への影響も懸念されます。
これらの背景からプラスチックごみを減らすために、ゼロ・ウェイストが取り上げられているのです。

サステナブルへのシフト

「サステナブル=持続可能な」という意味があります。地球温暖化をこれ以上進めないように、サステナブルな社会を目指す方も増えています。
環境への関心の高まりからゼロ・ウェイストを目指すきっかけになった方もいるでしょう。

また地球温暖化の原因のひとつに、二酸化炭素の増加があげられます。
エネルギー源が水力や風力から石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料へと移行したことで、化石燃料を燃やす際に二酸化炭素が増加するようになったからです。
さらに、地球温暖化を促進するメタンガスの増加も環境問題を考えるうえでは軽視できません。
牛のげっぷに含まれるメタンガスは、二酸化炭素の25倍もの温室効果があるといわれています。
このように、肉の大量消費も環境負荷の原因と考えられるでしょう。

地球温暖化を防ぐために大量生産・大量消費を見直し、私たちが住み続けられる環境を目指すのがサステナブルといえます。
ゼロ・ウェイストを意識すると、必然的にサステナブルな生活になるでしょう。

SDGsの影響

ゼロ・ウェイストへの取り組みはSDGsとも密接に関わっています。
SDGsとは持続可能な開発目標のことで、2015年9月15日にニューヨーク国連本部で行われた国連サミットで採択されました。
SDGsは人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標を示します。
例えば目標12「つくる責任 つかう責任」です。世界では生産された食品の約3分の1が捨てられています。
そのためなるべくごみを出さないようにし、適切な処理方法でリサイクルしていくことが大切です。
ゼロ・ウェイストの考え方を取り入れると、目標12が達成しやすくなります。

海外セレブからも注目されているゼロ・ウェイスト

ゼロ・ウェイストは環境問題に熱心な海外セレブの間でも話題になっています。
ここからは、ゼロ・ウェイストを意識している海外セレブの取り組みについてご紹介します。

Jay-Z

1969年12月4日生まれのラッパー・作詞・作曲家・プロデューサーです。
多彩な才能を活かし「世界的にもっとも偉大な輝きが衰えないラッパー」「世界的にもっとも頂点に君臨するラッパー」に選出された経験があります。

またJay-Z、アーティスト以外に起業家としての一面を持ち合わせており、植物ベースフードへの関心も高く、自身でもインポッシブルフーズなどのヴィーガンブランドに投資をしています。

動物性食品のなかでも肉の消費を抑え、代替肉を活用することは温室効果ガスの削減につながるからです。
畜産の飼育に必要な水や畜産から排出されるメタンガスを削減できるため、無駄をなくすゼロ・ウェイストの考えに合致しているといえるでしょう。

ビヨンセ

1981年9月4日生まれの世界的に有名な歌手のひとりで、グラミー章において5部門受賞の快挙を成し遂げています。
ビヨンセは音楽活動のほかに、WTRMLN WTRへの投資を行っています。

WTRMLN WTRを創業したきっかけは、数多くのスイカが無駄になって廃棄されている事実を目の当たりにしたことです。
栄養価が高いスイカですが重いうえに割れやすく、輸送コストがかかってしまうため、廃棄されることが多かったようです。
この状況を何とかしようと考えた創業者が、スイカをジュースにしてボトルに詰めて売ろうと考えました。
この想いに共感したのがビヨンセです。廃棄されるはずのスイカが新しく生まれ変わるのは、まさにゼロ・ウェイストの考え方といえます。

レオナルド・ディカプリオ

1974年11月11日生まれのハリウッドスターです。俳優、映画プロデューサー、脚本家など、多方面で活躍されています。
レオナルド・ディカプリオは熱心な環境保護主義者であり、自ら財団を設立するほど環境について強い関心を寄せています。

またレオナルド・ディカプリオは、オランダの培養肉スタートアップMosa Meat社に出資を発表。
この会社は動物性の肉ではなく、培養肉(動物の細胞組織の一部を組織培養して育てた肉)を取り扱っています。
動物を殺すことなく、環境負荷も減らせるためフレキシタリアン(ゆるベジタリアン)の方にもぴったりです。

さらにレオナルド・ディカプリオ製作総指揮のドキュメンタリー映画では、海洋ブラスチック問題について言及しています。
「海がプラスチックで溢れている。私たちには何ができるのだろうか」と書かれた映画のポスターが印象的で、ゼロ・ウェイストについて考えさせられる映画です。

日常生活で簡単に実践できるゼロ・ウェイスト活動4選

ゼロ・ウェイストの考え方を私たちの身近な生活に取り入れるには、どのようにしたら良いのでしょうか?
ここからは、日常生活で無理なくできる方法についてご紹介します。

マイバッグを携帯する

ビニール袋の代わりにマイバッグを持参すると、プラスチックごみの削減につながります。
レジ袋よりも耐久性が高く、破れにくいので繰り返し使えます。
種類も豊富なので収納力、デザイン性などをリサーチしながら、好みのものを選ぶと良いでしょう。

レジ袋タイプであれば軽くてシワになりにくく、比較的コンパクトなものが多いです。
トート型なら肩がけしやすく持ち運びに便利で丈夫な特徴があり、保冷バッグを使えば生鮮食品の買い物や野外レジャーにも重宝します。

マイボトルを使う

マイボトルも手軽に持ち運べて便利です。マイボトルの中に好きなドリンクを入れられるもメリットといえるでしょう。
ペットボトルを必要としないため、プラスチックごみの削減にもなります。

スターバックスコーヒーやタリーズコーヒーなどは、マイボトルを持参すると割引価格で購入できるので、お得に楽しめます。
マイボトルに切り替えると持ち運ぶときに荷物が多くなってしまいますが、ドリンクの購入費が抑えられるので長期的に見ると節約になるでしょう。

環境にやさしいストローを使う

環境にやさしいサトウキビストローを使うのも、ゼロ・ウェイストの活動になります。
サトウキビストローとは、植物由来のストローで従来産業廃棄物として処理されていたバガスとPLAから作られた、100%天然成分のアップサイクル製品です。

使い終わった後は土に還る生分解性ストローなので、環境負荷も抑えられます。
サトウキビストロー以外でも、普段からマイストローを持参して洗いながら繰り返し使うこともゼロ・ウェイストといえます。
衛生面が気になる方は、植物性の素材のストローを選ぶと良いでしょう。
2~3回程度使用できて、廃棄されても土に還りやすいため環境にもやさしいストローです。

※バガス:サトウキビを搾った際にでる残渣
※PLA:ポリ乳酸

作りすぎを防いで無駄な廃棄を減らす

環境のためには、なるべくごみを出さないことが大切です。
とはいえ、たくさん料理を作っても食べきれずに廃棄してしまうと、ごみとなり環境負荷が懸念されます。
「野菜は丸ごと1個買った方がお得」「お肉が安売りされていたから」など、買うつもりのない食材を購入してしまう前に、ひと呼吸おいてから行動することをおすすめします。

また食材を無駄にしないためには、量り売りを活用するのもひとつの方法です。
量り売りであれば欲しい分だけ購入できます。
使いたい分だけ用意できる食品を活用するのもひとつの手です。

例えば、1食分ずつ取り出せるレトルトの大豆ミートなどを活用すれば、食材を効率良く選択できるでしょう。 大豆ミートは肉も魚も適度に食べるフレキシタリアンの方にもおすすめです。

まとめ

ゼロ・ウェイストは、無駄や浪費をなくしてごみを出さない考え方です
海外セレブの間で話題になっているほか、世界各国で注目されています。
その背景には、ごみの廃棄問題やプラスチックごみの増加、サステナブルへの関心、SDGsの影響が考えられます。

日常生活で取り組めることはたくさんあるので、この記事でご紹介したアクションを参考にしながらできることから始めてみてはいかがでしょうか?

【参考記事】
https://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/goodlifeaward/report201801-zerowaste.html
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r01/html/hj19010301.html
https://www.naro.affrc.go.jp/org/nilgs/guidecomic/04/e09.html
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/about/
https://www.vogue.co.jp/tag/jay-z
https://ja.news24viral.com/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%BBz%E3%81%8C%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AB%E4%BE%A1%E5%80%A4%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A0/
https://diamond.jp/articles/-/259437
https://impossiblefoods.com/https://www.unic.or.jp/activities/celebrities/peace_messengers/dicaprio/
https://www.vogue.co.jp/tag/leonardo-dicaprio
https://www.leon.jp/lifestyle/97114?page=3
https://moviewalker.jp/news/article/1006617/
https://waterstand.jp/waterlife/water_environment/waterlife00080.html
https://www.4nature.tokyo/ad
https://eco-sozai.jp/column/45/

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